APU学長に出口治明氏を再任

再任されて思いを語る出口学長

 立命館アジア太平洋大学(APU)は、現在の出口治明学長(72)の任期が12月末で終了するのを前に学長候補者の公募を行い、出口学長を再任した。11月30日午前11時半から、APUで記者会見を行い、明らかにした。
 APUはこれまで、学長を大学関係者の中から選んできたが、2018年から広く人材を公募する制度を試験的に導入し、出口氏が第4代学長として初めて学長に選ばれた。3年間の任期切れを前に、公募制を本格的に導入。山本修司副学長を選定委員長とし、職員、教員、卒業生16人で候補者選考委員会を構成。海外を含め約70人からの応募があったという。その中から複数人に絞り、学校法人立命館の理事会に推薦。11月27日に開かれた理事会で出口学長を再任することを決めた。任期は2021年1月1日から2023年12月31日までの3年間。
 再任を受けて、出口学長は「前回はどなたかの推薦で学長に選ばれましたが、今回は自分から応募しました」と自薦であったことを明かし「新しい学部や新しい教育棟、寮の建設の準備をしていて、見届けたいという思いが中心。それ以外に、別府が好きになり、この地から離れたくないというのも正直ある。海も山もあり、食べ物も美味しく、人も温かく迎えてくれて、こんなに良い所はないなと思った」と笑顔で話した。
 その上で「日本の未来を担う若い学生の大学で学ぶ4年間は本当に大切な時間。学びを守ることを第一義に、コロナを乗り切りたい。また、地域にある大学として、大分県や別府市が元気がなくなって、APUだけが元気であることはあり得ない。もっとAPUを使ってもらいたいし、我々ももっと地域に出ていきたい」と意気込みを見せた。
 運営に当たっては「教育、研究に力を入れるという当たり前のことを着実にやっていく中で、APUを選んでもらえる、もっとワクワクドキドキするAPUを作っていきたい」とした。
 2023年には観光系の新たな学部の創設も予定して準備を進めており、「地域の人の暮らしや文化を五感で感じとることが観光であるという、新しい学部を作っていきたい。大学だけで学ぶのではなく、地域の皆さんと一緒に学びたい。詳細はこれからだが卒業した人が地域に残り、地域を開発するような学部を作っていきたい」と思いを述べた。

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