接待を提供する飲食店の自主休業に支援金

新たな新型コロナ対策について説明する長野市長

 長野恭紘別府市長は12日午後4時、市役所で記者会見を開き、新型コロナウイルスの別府市における感染者が多く確認されていることを受けて、市民と観光客の安全を守るため、自主的に休業をする事業者への支援として「事業継続に対する支援金」を創設することなどを発表した。
 長野市長は会見で「11日は10代から70代の男女16人と、1日としては過去最多となる感染者が確認されました。そのうち8人が北浜のスナックやバーの関係者となっており、この事態を重く受け止め、これ以上の感染拡大を何としても食い止めなければいけない」という強い決意を示した。
 その上で「飲料・飲食の組合の皆さんと近況を踏まえて協議をしたところ、この感染拡大を防止するためには、自主的にでも休業し、一旦、この感染の流れを切る必要があるとの話を受けた。自主的に休業する事業者に対して、営業を再開するまでの間を少しでも支援をするため、事業継続に対する支援金を創設したい。また、併せて安心して営業の再開、継続ができるよう、事業者の皆さんに定期的なPCR検査等の実施の協力要請と支援をする」とした。
 さらに、飲食店を安心して利用してもらうために、より高い安全基準を徹底する感染症対策など具体的な取り組みを明示した「別府モデル」をつくり、基準に対応している店舗をホームページなどに公表し、専用ステッカーを貼ってもらうなど、全体として感染症対策の徹底を図る。
 長野市長は「あえて申します」と前置きし、「発熱や咳など感染の疑いがあるにもかかわらず、休養せず、申告さえしない店舗、従業員がいたという報告を受けている。そのような無責任な行動でしっかりと対策をしている人や業界、市民生活の安全を窮地に追い込む結果を招くことをより自覚してもらいたい。今後、絶対にそのような行動をとらないように、チェック体制の強化も図る」とした。
 支援金は15日に別府市議会定例会最終日に追加議案として上程する予定で、具体的なことは調性中としながらも、対象となるのは、一定期間連続して営業自粛をする決断をし、自粛終了後も事業を続ける、接待を伴う飲食店。別府料飲組合に加盟しているのは60店舗。市では、全体は把握できないが、300店舗ほどあると想定している。休業要請については、「県が判断すること」と述べた。
 加えて、人権を尊重して感染者や医療関係者及びその家族への誹謗、中傷が起きていることにも触れ、正しい理解をもって行動するように呼びかけた。

食うぽん券は12月末まで

 別府市は現在、新型コロナの影響で困っている事業者を支援しようと「別府エール食うぽん券」と「別府みんなにエール券」を実施しており、食うぽん券については12月末で使用期限を迎える。
 食うぽん券とエール券の扱いについて聞かれた長野恭紘別府市長は、「食うぽん券については、金券の期間が6カ月なので、これ以上の延長は出来ない。より安全に使ってもらいたい」とし、エール券については「短期で効果を上げたいということで期間を短くしているが、最大限期間を延長できるように関係機関と調整をしている」と答えた。

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