市民後見人養成講座の修了式

19人が3カ月にわたる講座を修了した

 別府市社会福祉協議会は、令和2年度別府市市民後見人養成講座の修了式を19日午後3時から、市社会福祉会館で行った。19人が修了を迎えた。別府市からの委託事業。
 国が定める成年後見制度利用促進基本計画に基づいて、権利擁護支援の地域連携ネットワーク構築事業の一環として行われた。成年後見制度の利用促進に向けて、受け皿である人材育成が目的。個人で後見人になる人と社協が法人として後見人となり、支援員として活動する人がいる。
 後見人制度は、認知症や知的・精神障がいなどによって、判断力が十分でない人について、家庭裁判所から選任されて財産管理や身上監護を行い、本人の権利や財産を法律的に保護し、支援するもの。
 講座は昨年10月3日から12月19日まで行われた。家族法や財産法などの法律関係や生活保護、年金などの制度について、財産目録の作成などを学んだ。今回は、新型コロナウイルス感染症予防のため、施設実習は出来なかった。
 阿南剛・高齢者福祉課長が「3カ月にわたる講座、お疲れ様でした。現場実習が行えなかったのは残念ですが、実践的な研修をしてもらった。高齢化や家族関係の希薄化などで、今後もニーズは増えると思う。利用者に寄り添い、サポート役として頑張ってほしい」とあいさつ。高橋修司社協事務局長が修了証書を代表に手渡した。
 受講生を代表して、藤川和明さん(57)が「倫理的検討や合意形成が大切だと思った。状況を把握し、適切に対応できるかがカギ。本人の立場に立った理想的な支援が出来るかは不安だが、頑張りたい」。槐多寿子さん(63)は「グループワークを通して意見交換どをして、とても刺激になった。その人の人生やプライバシーに触れることが多いので、本当に難しいと思う。せっかく勉強したので、まずは支援員として真摯にやっていきたい」とそれぞれ感想を述べた。
 修了生には、1月下旬から2月上旬にかけて、後見人としての最終面接が行われる。別府市は成年後見支援センターを立ち上げたばかりで、養成講座もその活動の1つ。市民がいつまでも住み慣れた地域で安心して暮らせるように、後見人の仕事に期待が寄せられている。

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