別府市立鶴見台中学校2年生の髙山陽菜さん(14)が、「第60回国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト」で特賞の日本国際連合協会長賞を受賞。長野恭紘別府市長に2日午後5時、報告をした。
髙山さんは、国語の授業で人権や社会生活についての作文を書いた。その作文が素晴らしいと思った先生が内容にあったコンテストがないか探し、応募。
コンテストは外務省と日本国際連合協会が主催するもので、作文を通して国際理解や国際協力について考える機会をもってもらうのが目的。テーマは3つあり、その中から1つ選ぶ。髙山さんが応募したテーマは「SDGs(持続可能な開発目標)が目指す『誰も取り残さない』社会を作るために、自分には何ができるか」。全国から1242点の応募があり、45点が予選を通過。その中から、特賞4人、優秀賞3人、その他の賞11人が選ばれる。髙山さんは特賞の4人のうちの1人に選ばれた。毎年、特賞をとった生徒は、春休みに米国ニューヨークの国連に招かれ、研修を行っていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で東京での研修になる見込みだという。
髙山さんは小学6年生の時、クラスで同級生が同性愛について「気持ち悪い」と話しているのを聞き、「そんなの人それぞれなんじゃない」と言うと「陽菜って普通じゃないよね」と言われたことがきっかけで、「普通」とは何かについて考えるようになったという。世界には色んな人がいて、簡単に男と女には分けられないと知った。その後、「りんごの色」という人権啓発マンガを読んで、どのりんごも同じ色ではなく、人も同じ。自分はどんな色なのか、と考えて続けている。言葉は人のころを簡単に傷つけてしまうし、言ってしまったらもう取り戻せないため、しっかり相手のことを考えて発言することやみんな違う色を持っていることを認め合っていくことが出来る世の中にしたいーと思いを綴った。
同席した神淳祐鶴見台中学校長は「素晴らしい賞をいただき、学校としてもうれしい」と報告。髙山さんが作文を朗読した。長野市長は「多様性で考えれば、別府市には90カ国以上の国の人がいます。心と体の性別について正直な気持ちを言えずに、苦しい思いをしている人もいる。この作文は、多くの人の心を救うと思うし、良い影響を与える賞になると思う。個性を認め合えば、すべての人に優しく、住み良い町になると思う」と讃えた。
髙山さんは「自分が受賞するとは思ってもいなかったので、信じられず、びっくりしています。みんなに読んでもらい、将来、みんなが笑顔になれれば良いと思っています」と話した。