別府港開港150周年の神事

関係者が出席して開港150周年の記念神事が執り行われた
強風で壊れた稲荷神社の鳥居や社を修繕

 波止場神社奉賛会(林道弘会長)は5日午前9時半、別府港開港150周年の記念と昨年の強風で被害を受けた境内の稲荷神社の修繕などの完成を祝い神事が、元町の七福神波止場神社で執り行われた。
 別府港は、現在、ゆめタウン別府が建設されている場所に明治4年に開港した。日田県知事で内閣総理大臣も務めた松方正義氏の尽力で、九州三大港の1つとして開港した。波止場神社は同じ年に建立された。
 神社は一時は廃止の危機もあったが、昭和48年に祭典が復活するなど、再興。その後、平成26年に台風で屋根瓦が落ちるなどの被害を受けたが、多くの人の支援で翌27年に神殿と拝殿の修復を終えた。昭和を代表するプロ野球選手の「鉄腕」稲尾和久投手が近所に住んでいたこともあり、記念のモニュメントを設置するなどしてきた。しかし、昨年、台風の強風で境内にある稲荷神社の鳥居が倒壊するなどの被害が出た。
 今回の整備事業では、鳥居の修繕と共に、老朽化した社の修繕、神社本殿の外壁塗り替え、手水舎の出水口にひょうたんを設置、木彫七福神奉納が行われた。
 神事は、神日出男八幡朝見神社宮司が執り行った。林会長は「昔は、大きな船が沖合に停まって手こぎの船で上陸していた。桟橋が出来てからは、陸つづきになった。こういうことをやった先輩たちはすごいと思う。歴史ある物を残そうと整備してきましたが、まだ7割。皆さんのご協力で進めていきたい」とあいさつ。
 来賓の長野恭紘別府市長が「自然災害や経済的な問題など、様々な困難があったと思いますが、先人の思いをつむいできた関係者の皆さんに敬意を表します。コロナ禍で市民は苦しい状況に置かれていますが、自信を失ってはいけません。別府の資源は人。人がいなければ、観光立市ではいられません。心を1つにする機会にしてほしい」と述べた。