別府市議会定例会が閉会

副議長に選任されてあいさつをする小野氏

 令和3年第1回の別府市議会定例会は23日午前10時から本会議を開き、予算決算特別委員会の委員長報告、討論、表決を行った。
 黒木愛一郎委員長が「歳入については、新型コロナウイルス感染症の影響で、市税の大幅な減少が見込まれ、市政運営においても非常に厳しいものとなることが予想される。新たな自主財源の確保は喫緊の課題。新税導入を含めた新しい自主財源のあり方について、調査研究していくこと。歳出では、事業効果の検証を行うとともに、大型事業の実施に関しては、全体の財政収支に影響を及ぼさないよう、事業の延伸や抑制を検討し、長期的展望で財政運営を図るように」などとし、補助金の見直し、公債費や基金の適切な管理などを求めた。
 討論では、美馬恭子氏(日本共産党議員団)が「新型コロナ対策が優先としながらも、はっきりとした対策がない」として、一般会計の当初予算に反対をした。また、これまで長らく討論は反対討論のみが行われてきたが、今回、久しぶりに賛成討論を最大会派の自民党議員団の手束貴裕氏が行った。手束氏は「税収が大幅に減収することが予測される中でも、市民生活に密接に関係したものに配慮されている。予算は市政のあり方を決める重要なもの。直面する課題解決、将来の発展に重要な事業、真に必要な事業を計上しながらも、21年ぶりに収支の均衡を取れた予算編成となったことは高く評価できる。執行に当たっては、徹底した感染防止対策をしながら、長期にわたって影響を受けて不安を抱える市民に寄り添い、真に必要な行政サービスを提供し、市民に安心感と幸せを実感できるもにしてほしい」として一般会計予算案に賛成を表明した。
 表決では、一般会計予算案は賛成多数、その他の14議案については全会一致で原案通り可決した。
 任期満了に伴う人権擁護委員に佐藤久美子氏と早崎久砂美氏を、監査委員に手束貴裕氏を選任すること同意した。さらに、県後期高齢者医療広域連合議会議員として、安部一郎氏(自民党議員団)と森大輔氏(自民新政会)を指名推薦した。
 議員提出議案として、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する迅速な情報公開等を求める意見書と国立病院の機能強化を求める意見書が提出され、ワクチン接種に関する情報公開等を求める意見書を可決した。
 総務企画消防、観光建設水道、厚生環境教育の各常任委員会と議会運営委員会で、行財政改革等に伴う所管する事務事業の審査(調査)を閉会中の継続審議とした。任期満了に伴う議会運営委員会の改選が行われた。本会議を一時休会し、委員会を開いて委員長に山本一成氏(自民新政会)、副委員長に安部一郎氏と決まったことが報告された。
 さらに、副議長選挙もあり、小野正明氏(自民新政会)を選任。退任した阿部真一氏(自民党議員団)が「コロナに始まり、コロナに終わる任期だった。皆さんに支えられ、議会運営に全力を尽くすことが出来た。公務が減少する中で、議員として何をするべきか、立ち止まり考える時間をもらった。まだまだ若輩で、答えは道半ば。今後は一議員として市民生活を中心に考え、議場で政策提案し、議論させてもらいたい」。小野氏は「身に余る光栄とともに、身が引き締まる思い。松川議長の補佐役として、市政の推進と議会運営の円滑化に努めていきたい」とあいさつをした。
 長野恭紘別府市長が、阿部氏の労をねぎらい、小野氏に「豊富な知識と経験生かし、民主的な議会運営に手腕を発揮してほしい」とお祝いの言葉を述べた。
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 本会議終了後、3月末で退職する部課長の紹介が行われ、松川章三議長が「長年にわたり、市行政に携わっていただき、ご苦労様でした。市政の発展に尽くされた。一応ピリオドを打たれるが、今後も本市ご協力いただきたい」と労いの言葉を述べた。
 退職者を代表して、田北浩司観光戦略部長が「37人は、今月末で定年を迎え、40年前後慣れ親しんだ市役所を退職する。私事ですが、採用されてから自問自答を繰り返しながらここまできた。採用された頃はよく失敗し、多くの人に迷惑をかけましたが、多くの人に支えられてきた。今後も市にかかわりながら生活をしていきたい。議員の皆さんには、提案やアドバイスをご教授いただき、学ばせていただいたこと、心から感謝いたします」と謝辞をのべた。