別府警察署長

市民に寄り添い力強い活動を展開

幸野 俊行(こうの としゆき)さん(56)

 今年3月、別府警察署長に就任した。別府署勤務は初めてだが、別府市は生まれ故郷で、高校卒業まで別府市民だった。
 「子どものころ、毎年の納涼花火大会と温泉まつりが楽しみでした。毎日のように田畑で遊んで、一日の終わりは地区の共同温泉でした。おかげで、大の風呂好きとなりました。子どものころの別府市は、本当に賑やかで、下駄ばきに浴衣姿の多くの観光客が商店街を歩いていました。景気も良かったと思います」と昔を振り返る。
 県下の刑法犯認知件数や交通事故発生件数は減少傾向だが、殺人や強盗などの凶悪犯罪は依然として発生しており、特殊詐欺やストーカー・DVなどの人身安全関連事案、子ども・女性に対する声かけ事案や、高齢者が当事者となる交通死亡事故も発生しており、治安情勢は厳しい状況にある。
 別府署では、市民や別府市を訪れるすべての方々が、安全で安心して過ごせるよう、出来るだけ皆さんに寄り添い、皆さんの期待と信頼に応える力強い警察活動を展開していきたいと考えている。
 着任に当たり署員には「県民の目線、立場で物事を考えるように言っています。職務執行に当たっては、県民が納得できないことは、本当に正しいと言えるのかと疑問を持つことが大切。『法律は不正を正すためにある』ということを忘れてはならない」と話している。
 昭和39年生まれ、別府市出身。県立鶴見丘高校から下関市立大学経済学部経済学科を62年3月に卒業、親孝行と地元愛から地元での就職を考えており、両親の勧めもあり採用試験を受けて合格。同年4月、巡査を拝命。県警察学校に入校。振り出しは、国東警察署外勤課(現地域課)。その後の主な所属は刑事部捜査第二課で、刑事畑を21年間歩む。捜査第二課は巡査部長から警視まで、各階級で6回、計15年間勤務。
 「趣味がないのが趣味と言えるくらいありません。家族に言わせれば『仕事人間』で、つい最近まではそれが当たり前でした。現在はワークライフバランスを考えて、十分な休暇を取得しているので、後は趣味を見つけるだけ。最近は、あちこちの市営温泉に出没していますけど」と笑顔を見せた。
 家族は、妻と娘の3人。家族は大分市に住んでおり、署長は別府市に単身赴任。