東京五輪、開催か否かで議論が続いている、公式(政府見解)では入場者を何割にするか、6月にその決断が先延ばしとなった。
丸川珠代五輪相は、「ワクチンを選手や関係者に『優先』する考えはない」最近では二階幹事長の中止の言質をもとに、「ある意味当たり前のこと」とまで言い切った。オリンピック大臣は党の有力者に追従するための職ではない。誠に御粗末だ。「五輪相」とは開催を前提にした役職であり、開催運営に全精力を傾注して臨むべきもの。きょう九州上陸する聖火リレーは、別府市が生んだスーパーアスリート元新体操「フェアリージャパン」主将の田中琴乃さんがつとめた。田中さんは五輪組織委員会のメンバーで、新体操普及のための教室や、後進の指導を手がける。組織委の元アスリート仲間達は、コロナ禍のなか、国民の税金を使って五輪開催を申し訳なく思っている人達が多いという。
「申し訳ない」のはこちらの方だ。彼女は5歳の時から新体操を始め、中学3年ジュニア選手権優勝と同時に「フェアリージャパン」に参加、10人の全国選抜から5人が生き残るサバイバルを経て、08年、12年開催の北京、ロンドン両五輪で10位、6位の入賞をはたした。競技人生のなかで選手生命にかかわるケガを2回経験した。一度は絶望の淵をさまよった。子どもの頃から夢に描いたオリンピックのステージ。ケガを経験して▽ここまで支えてくれた人達のための恩返し▽両親に笑顔で手が振れる競技が出来るように―――出場の「目標」を再設定。単に出場することから、何のために出場するのかの精神を鍛えなおした。ロンドン開催の9ケ月前だ。手術の結果2ケ月で完治、1日12時間、週6日間の猛トレーニングでチームに再び合流、10年から受けた主将としての責任もこの「目標」に加えられた、結果は団体6位の大躍進。日本の新体操の質的向上、後進の指導に大きな成果をもたらした。オリンピックを開催するとか、しないとか論ずるより、いかにして安全を確保して行うかにかかるのでは。口にしている者たちはほとんどが政治家や経済人。ここにアスリートの生の声がない。「アスリート・ファースト」を忘れたか。
このままでは思春期、青春期を犠牲にして日の丸を背負う若者が居なくなる。中国産コロナに打ち負けた愚かな国に成り下がる。五輪相よ、IOC、WHO、ファイザーに土下座でもしてワクチンを譲ってもらえ。ちっとは日本が豊かで逞しい国になるために汗を流せ。 (陽)