川上隆副市長が「卒業」して経産省復帰

職員に見送られながら市役所を後にする川上氏

 別府市は1日午前10時、川上隆副市長(49)の退任に伴う辞令交付式などを市役所で行った。
 川上副市長は新潟県出身で、平成3年に現在の経済産業省(当時は通商産業省)に入省。関東経済産業局経営支援課中小企業調査官、大臣官房秘書課管理専門職などを歴任し、平成30年7月に別府市の副市長に就任した。
 長野恭紘別府市長が退任辞令を手渡して、2年10カ月の労をねぎらった。
 引き続き、レセプションホールで退任式を実施。密にならないように、出席する部課長の人数を制限して行った。
 長野市長が「情熱をもって様々なことに取り組んでもらいました。ラグビーW杯では、発展を続けるであろう別府観光の大きな方向性を示してくれました。ツーリズムバレー構想では、さすがという知見と様々な力添えで軌道に乗せる礎を築いてもらいました。現在直面している新型コロナ対策では、事業者や市民の安全安心を守るため、先頭に立って活動をしてくれました。その活躍を見て、まだまだここで活躍してほしいという思いはありますが、国においてもっと活躍する場がある。これからも、別府を目にかけて、距離は離れますが、大きな力を送ってほしい」とあいさつ。
 川上副市長は「市の業務は初めてで、市民のために多岐にわたる業務があり、自分の能力が追い付かずにご迷惑をおかけしましたが、皆さんに助けてもらいながら何とかやってこれました。任期中の後半は半分がコロナ対策でした。別府市は国や県、他の市町村に先駆けて、別府の頭で考えて行動していく。市長のリーダーシップの下、職員が一丸となってやっている。その中で、動かしてはならない軸と状況の変化に応じて動かしていくものがあると改めて学びました。国にいると見失いがちなことですが、今後も軸をしっかりと持って対応する仕事をしていきたい。別府市の一員として働けたことをありがたく思います。別府を離れるのは寂しいですが、一方で、帰ってこられる場所が出来たのはうれしい。別府市民でいられて良かった」と退任のあいさつをした。
 部課長会から記念品が、市職員厚生会と市職員労働組合から花束が贈られた。ロビーで密にならないように庁舎外で職員に見送られながら市役所を後にした。
 川上副市長は経済産業省に戻り、2日付で産業技術環境局研究開発課産業技術総合研究所室の課長補佐となる。後任の副市長については、現在調整中。
 また、退任に伴い、別府市は川上副市長をツーリズム別府大使に委嘱。長野市長から委嘱状、大使の名刺、竹製の名刺入れが贈られた。