令和3年第2回別府市議会定例会は21日午後1時、一般質問で穴井宏二氏(公明党)、三重忠昭氏(市民クラブ)、森山義治氏(同)が、新型コロナ禍における生活困難者支援、認知症対策、水道料減免などについて質問した。
生活困難者支援について
穴井宏二氏(公明党)
穴井宏二氏は新型コロナ禍における生活困難者支援について「改正社会福祉法において、主なポイントとして80代の親が50代の引きこもりの子を抱える8050問題などを抱えている家庭の問題をしっかり受け止めて、課題解決型支援ではなく、状況を見守りながら継続的に関わる伴走型支援が有用な柱となっている。貧困、介護、孤立など包括的に支援していく伴走型支援が現実では進んでいない。伴走型支援の説明を」と質問。
入田純子高齢者福祉課長が「地域共生社会における伴走型支援とは、専門職に求められる対人支援の一つ。支援者は本人とつながり続けることを目的とする支援。支援者と本人が継続的につながり、関わりながら、本人と周囲との関係を広げていくことを目的にしたアプローチのこと。一人ひとりが多様で複雑な問題を抱えながらも、生きて行こうとする力を高めていくことが期待されています」と答えた。
穴井氏は「伴走型支援が必要になった背景を、高齢者福祉課はどのように捉えているのか」と質すと、入田課長は「個人が抱える問題は、8050問題、虐待など多様化、複雑化しており、既存の制度では対応は難しい事例や、時間を要する事例が多くなっています。複合的な問題を抱えた事例に対して、制度を横断的に対応するための相談支援の仕組みづくりが求められる背景があります」と答えた。
そのほか、ネット119の導入などについて質問した。
認知症高齢者保険について
三重忠昭氏(市民クラブ)
三重忠昭氏は認知症対策として認知症高齢者等個人賠償責任保険制度の導入について「認知症高齢者が増加傾向にある中で、2007年に愛知県で認知症高齢者が起因となった電車事故があり、親族が鉄道会社から損害賠償を求められた裁判があった。この裁判を契機に認知症家族会を中心に、各地で認知症になっても家族も安心して暮らせる町をと言う声が広がった。自治体が民間の保険を使った事故救済制度を本人に代わって保険料を負担すると言った制度で、県内でも豊後大野市などで導入している。別府市が導入した場合、どのくらいの予算が必要か」と質問。
阿南剛介護保険課長が「別府市内での推定対象者は132人となり、年間24万円と見込みます」と答えた。
三重氏が「大分市も予算を計上していると聞いている。補償額の上限を1億円。年間1人当たり2千円程度を予定に、制度設計をして今年度中に導入するように進めている。ぜひ別府市でも導入してほしい」と要望。
内田剛いきいき健幸部長が「原則、保険加入は家庭ごとに希望に応じて契約するものと考えています。市が一律に損害賠償限度額を定めることに関しては、慎重に判断する必要があると思います。最低限の保証として、実施に向けて前向きに検討していく」と答えた。
そのほか、別府市就学前の子どもに関する教育等協議会について質問した。
水道料減免について
森山義治氏(市民クラブ)
森山義治氏は水道料減免について「宿泊事業者や個人経営の温泉入浴業以外の事業者にも当てはまるのではないか。路線バスや貸し切りバス、タクシーなど乗客数に関係なく、一日の運行終了時に洗車をしています。特に非常事態宣言が発せられていた福岡県の博多駅と別府市を結ぶ高速バスは、車内の窓などを清掃しています。貸し切りバスはボディが汚れるたびに洗車します。コロナ禍で水道使用量は少しは減少したが、固定費の負担額が重荷になっている。雇用を守る観点から、このような事業者にも一定の数値を定めて減免してはどうか」と質問。
行部さと子政策企画課長が「別府市の基幹産業である観光業のうち、緊急事態宣言による市外からの観光客が激減した影響が大きく、固定費である水道料金の負担が重たくなっている宿泊施設を対象にしている。今後、感染症の影響等の状況に応じまして、交通事業者と協議していきたいと思います」と答えた。
森山氏は「現状を認識していただき、前向きにしっかり協議していただきますようお願いします。また、大型商業施設事業者に対してはどうか」と質すと、竹元徹産業政策課長が「一つの自治体ですべての事業者を補完することは難しい。しかし多くの事業者を広く支援するため、支給方法や支給額などの見直しにも取り組んできたところで、今後の経済状況を考慮して判断していきたい」と答えた。
そのほか、第3弾プレミアムクーポン券について質問した。