令和3年度レンジャー養成訓練の帰還式が5日午前9時半、陸上自衛隊別府駐屯地で行われた。4月12日から7月5日までの厳しい訓練に耐え抜いた8人が最後の訓練を終えて、駐屯地に帰還した。
レンジャー訓練は、自衛隊の訓練の中で最も厳しい訓練として知られる。今回は16人が参加したが、途中、様々な理由で離脱し、最終的に8人が残った。最終想定では、久住連山及び由布岳周辺から十文字原一帯で、3夜4日の不眠不休の中、食事など制限を受けながら、約50㌔のリュックを背負い、約50㌔の距離を約74時間かけての行動訓練を行った。
訓練を最後までやり抜いて帰還したのは、20~26歳の隊員で、第41普通科連隊(別府駐屯地)6人、第4偵察戦闘大隊(福岡駐屯地)、第3高射特科隊(飯塚駐屯地)が各1人。
養成訓練担任官は、椎屋誠第41普通科連隊本部管理中隊長。
レンジャー訓練学生は、疲れた様子の中でもしっかりとした足取りで駐屯地に戻り、多くの仲間に迎えられた。学生長の三島翔也第41普通科連隊2等陸曹(25)が帰還を報告。
中村英昭連隊長兼駐屯地司令が1人ひとりにレンジャー徽章を首にかけ、グータッチで健闘を称え「訓練により、仲間の大切さを感じることが出来たと思う。遅れている人をみんなでフォローしていたのはとても良いと思う。しかし、遅れた人はよく覚えておいてほしい。1つは、遅れることで任務が完遂できなくなること。どんなに苦労をしても、任務を完遂できなければ意味がない。2つ目は、仲間を危険にさらすということ。見つかれば全員が死ぬことになるかもしれないし、十分な偵察が出来ない。最後まで残った8人には敬意を表する。訓練を振り返り、今後の任務に生かしてほしい」と訓示した。
教育訓練終了後、レンジャー学生は、それぞれの部隊へと戻る。