別府商工会議所の景況調査

景況調査を発表した別府商工会議所

 別府商工会議所は24日、4月から6月の企業景況調査を発表した。今回で31回目の調査。
 今回は、新型コロナウイルス関連の2つの質問を行った。1つは、国などが提供する各種支援制度の情報の入手方法に関するもの。もう1つは新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しについてのもの。回答内容から、市場が冷え込むという厳しい経営環境化にあり、企業(事業)の存続に腐心し、将来への不安を抱え、苦慮している経営者の姿が見えてくる。別府商工会議所としては結果を踏まえて、関係機関と連携を密にし、感染拡大防止徹底を第一に、引き続き支援策の周知徹底や相談対応など、長引くコロナ禍に苦しむ個社への支援を強化していく。
 市内の会議所会員100社に、調査票を発送し回答を得た。調査項目は売上高、売上単価、資金繰り、借入難度、収益状況、雇用人員、自社の業況判断、新型コロナの影響収束時期の予測。
 ▽売上高=総合のDI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)は32減であり、前回調査は49減だったことから17ポイントの改善となった。卸・小売業関連が35減(前回70減)、サービス業関連が30減(前回45減)と依然と悪い水準であるが大きく改善している一方で、もの造り関連が30減(前回15減)と悪化しているのが危惧される。
 ▽売上単価=総合は21減と前回の23減とほぼ同一水準となった。売上高DIと同様に、卸・小売業関連とサービス業関連は前回よりわずかに改善されているものの、もの造り関連は25減と前回の10減より15ポイントの悪化となった。
 ▽資金繰り=厳しい状況が継続している。卸・小売業関連、サービス業関連、もの造り関連の3つとも前回調査より悪化。総合は前回の28減に対し、今回は39減と、11ポイント悪化した。来期見通しも30減と、売上高と売上単価の両指標と比較して改善への期待が小さい。
 ▽借入難度=資金繰りが徐々に厳しくなっている状況を反映して、本指標も緩やかに悪化の傾向を強め始めている。総合では13減と前回の7減より6ポイント悪化している。来期見通しも他指標が改善傾向を示す一方、今指標は16減と悪化すると予想している。
 ▽収益状況(経常利益)=総合は44減と前回の43減とほぼ同値だった。もの造り関連が大きく悪化した。その主因は建設業の悪化だった。前回は90減だった宿泊業が、今回は40減と最悪期を脱する気配を示している。
 ▽雇用人数=総合は11減と前回16減より改善されており、不足感は緩和の総合傾向にある。
 ▽自社の業況判断=厳しい状況にあり、総合は47減と全7つの指標の中で最も悪い結果となった。
 ▽新型コロナウイルスの影響収束時期の予測=最も多かったの「来年の上半期まで」、最少は「今年の年末まで」。デルタ株が全国的に蔓延し、新規感染者が全国で万人単位で発生していることから、経営者の危惧・懸念がますます現実化を帯びてきている。