学校法人溝部学園の総合防災訓練

走って運動場に避難する高校生や園児

 学校法人溝部学園(溝部仁理事長)は総合防災訓練を14日午前10時40分、学園全体で行い、園児・生徒・学生・教職員・野田地区住民など約1500人が参加した。
 緊急地震速報による地震に加え、それに伴う津波の発生に対する避難行動の実践、
 マグニチュード8の「南海トラフ巨大地震」が発生し、別府市内全域に震度6強の揺れを観測。85分後に高さ10㍍の津波が押し寄せる―と想定。
 「南海トラフ巨大地震」発生の館内放送が午前10時42分、流れて非常ベルが鳴った。ひめやま幼稚園では、園児が机の下に素早く移動し「ダンゴムシのポーズ」をとり、落下物から頭を守った。
 揺れがおさまったとして、園児は第1避難場所の運動場に移動した。高校生、短大生、歯科学生、教職員、事務職員、野田地区の近隣住民も運動場に集まった。第1次避難場所で全員の点呼を行い、逃げ遅れによる不在者がいないかやけが人の確認を行った。
 溝部理事長が「東日本大震災が起きたとき、宮城県では多くの人が犠牲になりました。大規模な避難訓練は、なかなか経験できていませんでした。このような訓練は何回も行い、実際に備えることが正しいと思います。訓練を見ていましたが、私語なく静かに集まったことを褒めたいと思います」。
 別府市消防署亀川出張所員3人、別府市消防本部予防課2人を代表して、予防課の安田高士さんは「訓練を見ましたが、スムーズでとても良かったと思います。高校生は3分ぐらいでグラウンドまで来て、整列していました。園児は『ダンゴムシのポーズ』で頭を守っており、良かったです。大学生は、災害発生時に園児と一緒に避難するということなので頼もしいと思います。地域の方も一緒に参加していますので、地域一体となって訓練をし、ありがとうございます。災害に強い地域、学園になると思います」とそれぞれ講評した。
 続いて、情報係が携帯ラジオで「津波発生」の情報をキャッチしたとして、避難者全員を第2次避難場所の校舎内に避難するための避難経路などを確認するため、トランシーバーを持った3人を含む教職員6人が先遣隊として状況調査などに向かった。先遣隊から「安全」との連絡が入ったことで、第2避難行動を開始。今回は新型コロナウイルスの関係により密を避けるため、園児は幼稚園、高校生や短大生は各校舎に戻り、訓練が終了した。