尾畠春夫さんの生き方に学ぶ

尾畠さんからロープの結び方を学ぶ生徒

 地域学校協働本部「中部子ども応援プロジェクト」(リーダー、権藤和雄さん)の「ドリームスクール スーパーボランティア尾畠春夫さんの生き方に学ぶ」が10日午前9時40分、市立中部中学校グラウンドで行い、3年生158人が参加した。
 ドリームスクールとは、学校教育目標の「夢を持ち自ら学び続ける生徒の育成」達成のための取り組み。地域学校協働活動の一環で、新しい学習指導要領のめざす「社会に開かれた教育課程」につながるものと捉えている。
 講師は、スーパーボランティアと呼ばれる尾畠さんが務めた。クラスごとに授業を受けた。
 はじめに、2人1組で土のう作りを行った。シャベルの種類を生徒に質問し、生徒が正解すると尾畠さんが大きな声で「正解!」と述べた。その後、実際に砂のすくい方や土のう袋への入れ方などを説明し、生徒がスコップで砂をすくったり、土のう袋に砂を入れるなどした。続いて、ロープを使った結び方を説明し、生徒が輪結び、テグス結びを行った。
 最後に、生徒から「これまでに一番、印象に残ったボランティア活動は」との質問に、尾畠さんは「3年前に山口県で行方不明になった男児を見つけたこと。2011年に佐伯市内で女児を見つけた経験から、山の上に向かって捜索した。見つけて、無事に保護して、山を下った。警察から男児を渡すように言われたが『捜索前に母親と約束しているので、私が直接渡します』と断り、母親に手渡した」と話した。
 最後に、来年3月に卒業する3年生に「4カ月後にここを卒業して、それぞれの道を進みます。これから先の人生で、自分に正直に生きて下さい。嘘をついてはダメです。そして、自分に厳しく人に優しくの気持ちで、これからの一日一日を大切に前を向いて歩いて下さい」と言葉を贈った。
 1組の池永夢衣梨さん(15)は「去年も土のう作りをしましたが、今年はロープの結び方を学びました。いろんな結び方があり驚きました。尾畠さんの生き方やボランティアに対する姿勢が分かり、良かったです」と語った。
 3組、2組、4組の順で、尾畠さんの授業を受けた。
 今後のドリームスクールは、12日に16の職業に分けて地域の先生16人による少人数授業、12月3日にPTA主催のガチンコスクールデイが行われる。