別府国際観光港みなとまちづくり協議会(奥村信幸会長)は「別府港(楠港)築港150周年記念シンポジウム」を15日午前10時、ビーコンプラザ国際会議室で開催し、市立青山中学校生151人、一般の計約200人が参加した。
シンポジウムに先立ち、別府港が竣工するにあたり航海の安全と別府の発展を祈念して建立された波止場神社に七神が祀られているいることから、コロナ禍からの復興と別府中止商店街の活性化を願って七福神衣装を新調したとしてお披露目会を行った。
シンポジウムでは、主催者の奥村会長が「150年前、築港に携わった方々が今の別府港の発展や科学の進歩を想像出来たでしょうか。私は出来なかったと思います。しかし、皆さんは今から50年後の築港200年のときは想像できると思います。50年後の別府港を見るのは皆さんです。今日のシンポジウムは別府港の過去、現代、未来について専門家に述べてもらいます」。
続いて、黒田秀郎大分県副知事は「大分県は九州の東に位置し、海路は関西や関東に近い優位性がある。四国と結ぶフェリーの8割が、発着している。それに加え、東九州自動車道の整備があり、人の流れがある。人の流れが活性化しており、別府港は九州の玄関口としてのポテンシャルがますます高まっている」。
七福神の衣装を着た長野恭紘別府市長は「150周年を経た今が、これから先の200周年、300周年と続いていく港をどのように盛り上げるかを考える貴重な転換点になっていると思います。これからの別府を、大分を支えてくれる中学生が、これからのことを考えてくれる素晴らしい機会になる」とそれぞれあいさつした。
講演は、松本英之大阪市立大学特任教員が「別府―大阪航路~過去・現代・未来」をテーマに行った。
「1871年に楠港が開設された。別府航路開設30周年のとき、大阪商船7社が合併。1957年に別府温泉産業博覧会開催により、別府競輪場、別府タワー、別府ロープウェイ、やまなみハイウェイなどが開業し、高度経済成長へ向かった。今後の港まちづくり空間モデルとして、観光港回遊性向上戦略と瀬戸内航路の充実が必要」と述べた。
また、川野田實夫大分大学名誉教授が「私が見てきた地球の水、南極のドライバレーノ自然」をテーマに講演した。
続くパネルディスカッションは、松本特任教員がコーディネーター、平野芳弘・平野資料館館長、別府商工会議所の西寛之さん、別府市旅館ホテル組合連合会の鶴田宏和さん、本田一行別府港湾・空港整備事務所所長、岸元和明大分県土木建築部港湾課長がパネリストをそれぞれ務めた。
最後に、市立青山中学校1年生の山脇一太さんが講演の感想を述べた。