朝見神社で「竹の感謝祭」開催

四海波を編む竹細工職人の網中聖二さん(左)と後藤哲律さん

 別府竹製品協同組合(岩尾一郎理事長)は「第69回竹の感謝祭」を2日午前10時30分、八幡朝見神社で行った。同組合員や関係者らが出席した。
 組合員を代表して、竹細工職人の後藤哲律さん(41)、網中聖二さん(52)が神前に奉納する竹かご「四海波(しかいなみ)」を制作した。
 2人は、幅2・7㌢、長さ3㍍のマダケのヒゴ16本を力強くかつ手早く編み、幅55㌢、高さ40㌢の「大四海波」を完成させた。それを見ていた出席者から大きな拍手が贈られた。
 続いて、2人が「大四海波」を奉納。岩尾理事長らが玉串を捧げる神事が斎行された。また、主催者の岩尾理事長が「この骨身に染みる花冷えのように2年以上続くコロナ禍のせいで、昨年今年の2月にビーコンプラザで行う予定だった全国竹の大会が延期となりました。行事の延期だけでなく、仕事にも震えあがるような寒さを感じています。皆さんの協力を得ながら、組合員一同は『なにくそ』という気持ちで頑張りながらコロナ禍に立ち向かい、元気を取り戻すべく竹の感謝祭を機に春に向かっていく気持ちで進んでいきたいと思います」、来賓の長野恭紘別府市長、顧問の岩屋恒久秘書(岩屋毅衆議院議員代理)、嶋幸一大分県議会議員がそれぞれあいさつした。
 献籃製作をした後藤さんは「職人仕事を追い求めていきたい。今年が42歳の本厄にあたり厄払いのため応募しました」、網中さんは「『毎日の生活で使える身近な商品を作る』をモットーに日々製作をしています」とそれぞれコメントした。
 竹の感謝祭は、昭和29年から続いており、伝統的工芸品産業の成り立ちそのままに、自然の恵みを匠の技で形作るものとして、竹に感謝し、先達をしのび、参加者の懇親を目的としている。
 「四海波」は、おめでたい席で謡われる謡曲にちなんだもの。四つ目編みを底にし、四辺を波の形に組み上げてまとめたかご。