別府市立図書館に文部科学大臣表彰

読み貸せや貸出文庫サービスなどで子どもたちの読書推進活動に
功績があったと文部科学大臣表彰を受けた別府市立図書館

 別府市立図書館(檜垣伸晶館長、16人)は10日で開館100年を迎えるのを前に、令和4年度「子供の読書活動優秀実践校・図書館・団体(個人)」で文部科学大臣表彰を受賞した。
 同表彰は、文部科学省が国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高める活動を推進するため、特色ある実践活動を行っている学校、図書館、団体・個人を表彰しているもので、平成14年度から行われている。
 別府市立図書館は、大正11(1922)年6月1日に別府北尋常高等小学校(現在の別府中央小学校)に開設され、同月10日に蔵書千冊で開館。その後、公会堂、市民会館などを経て昭和62(1987)年に千代町の現在の場所になった。
 子どもの読書に関する取り組みとしては、平成20年から月2回「おはなしの会」を開催。ベビーの部とキッズの部で読み聞かせなど親子で参加してもらっている。貸出文庫サービスは、平成23年からスタートし、児童書や絵本を必要とする施設に貸し出している。まとめた冊数を配送・回収すべて図書館で行っている仕組みは珍しく、別府独特のサービスとして、10年間で延べ50施設、累計2万1100冊を貸し出している。
 中学生、高校生向けには、「司書のおすすめの1冊」や新刊、人気本などの情報を掲載した「ヤングアダルト新聞」を発行し、シリーズ通巻58号にものぼる。他にも、巡回移動図書館、子ども読書活動応援ボランティアのネットワーク化、研修会の推進に取り組んできた。
 現在、12人の司書がいて、より多くの人に利用し、読書に親しんでもらおうと創意工夫して特設展示などを展開。7日からは図書館でまだ1度も借りられたことがない本を展示するユニークなイベントも行われている。
 檜垣館長は「この表彰は、今働いている私たちだけではなく、これまで100年間、職員が頑張って積み上げてきた結果だと思っています。地道に活動を続け、100年の節目に花を添えられて良かったと思います」と話した。