別府商工会議所の景況調査

景況調査を発表した別府商工会議所

 別府商工会議所はこのほど、1月から3月の企業景況調査を発表した。今回で34回目。
 今回は、2021年7月から9月期と同じく「国や自治体が実施した(実施中含む)コロナ関係各種支援制度の利用」について質問。今回の調査では前回調査時にはなかった「事業復活支援金」が追加になったほか、同一の支援制度の利用状況について回答を得た。国、大分県、別府市などの行政、また商工会議所などの経営支援機関は今回の調査結果を詳細に分析し、事業の継続に苦しむ中小・零細企業を底辺から支えかつ伴走する支援策などの立案と提供に注力していく必要がある。
 市内の会議所会員100社に、調査票を発送し回答を得た。調査項目は売上高、売上単価、資金繰り、借入難度、収益状況、雇用人員、自社の業況判断。
 ▽売上高=総合のDI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)は21ポイント減少し、マイナス20・0ポイントとなった。卸・小売業関連がマイナス40・0と35ポイントの悪化となった。サービス業関連は12・5ポイント悪化しマイナス7・5となった。
 ▽売上単価=もの造り関連、卸・小売業関連は、プラス値を確保し、売上単価アップ努力が功を奏した。一方、サービス業関連は前回は7・5だったが、今回は15ポイント減少し、マイナス7・5となった。このことから売上単価アップは後退している可能性がある。
 ▽資金繰り=総合は前回と同様にマイナス25・0。業種別では、サービス業関連が前回と同様にマイナス32・5ポイントとなった一方で、もの造り関連が10ポイントアップし5・0、卸・小売業関連が5ポイントダウンのマイナス32・5と明暗を分けている。
 ▽借入難度=全般的に資金繰りDIよりも良好である。総合はマイナス6・0と前回のマイナス5・0とほぼ同値となった。もの造り関連が10ポイントの悪化を見込み、他の2分類も2・5ポイントの悪化となっており、資金繰り改善の歩みは停滞している。
 ▽収益状況(経常利益)=プラス値となったのは製造業(20・0)のみで、他の6業種はすべてマイナスとなった。卸売業、小売業、医療・福祉業の3業種がマイナス60・0と危機的な水準となっている。建設業がマイナス40・0と大きなマイナスのほか、飲食・サービス業と宿泊業がマイナス10・0と小幅なマイナスとなった。
 ▽雇用人員=プラスは過剰傾向をマイナスは不足傾向を示す指標。プラスは医療・福祉業のみであり、他の6業種はマイナスとなっている。医療・福祉業は前回はマイナス10・0であったが、本指標以外の他指標が悪化傾向を強めていることを受けて「人員が過剰」と判断したものと推察。
 ▽自社の業況判断=製造業がゼロとなっている他は6業種でマイナスとなっている。小売業(マイナス60・0)と医療・福祉業(マイナス50・0)の悪さが際立っている。来期予想はゼロ以上が3業種と回復を期待する一方で、建設業(今回マイナス20・0、来期マイナス50・0)、製造業(今回ゼロ、来期マイナス30・0)、宿泊業(今回マイナス30・0、来期マイナス50・0)の3業種で悪化傾向が強まると予想している。