◇…宮崎県延岡市の観光協会長(代表理事)を退任した、谷平興二氏が今日新聞社にメッセージを寄稿した。10年間にわたり観光都市へのイメージ変革をめざした延岡にあって、様々な観光資源を発掘、再生しつづけた。今回、後任に懐刀の1人、盛武一則氏を起用。「谷平イズム」継承者として期待される人物でもある。別府は神輿関係者と深いつながりを持ち、延岡――佐伯――別府の広域観光にも提言活動を続けている。延岡観光協会代替わりにあたり、旧知の別府市民へのメッセージとして届いた。その一部を割愛して掲載する。…◇
私は延岡観光協会の代表に就任して10年になりました。元気のべおか復活の為には「延岡には何も無い」この不毛の言葉、自らをだめにする言葉を、どうしても粉砕しなければなりませんでした。本当の延岡は全然違う。1日中遊んで、日本一おいしいものを食べ、日本一サービス満点の夜の街でお酒を飲み、語らい、1日中楽しめます。延岡は横綱観光地であると私は思います。今まで延岡を観光の街として考えてもみなかった。自分達が気が付かなかっただけです。
会員・理事・職員一同、そして市民の皆様を巻き込んで、観光協会は頑張ってきました。10年かかりましたが、延岡観光の商品、延岡の宝「のべおか一番」が出来上がりました。
▽その1
水に浮いているカヌーがまるで空中に浮いているかのような澄みきった水、奇跡の清流は、「五ヶ瀬川」、雄大なパノラマを誇る「祖母、傾、大崩ユネスコエコパーク」などアウトドア観光の整備。
▽その2
鮎、伊勢えび、岩ガキ、天下鶏、チキン南蛮、延岡牛、よっとん豚、おちゃめ豚、ひむか本サバ、数えたら切りがありません。「おいしい延岡。満足度世界1の庶民派グルメ」
▽その3
近代日本の礎を築いた旭化成の産業遺産。旭化成を中心とした日本一、世界一の製品満載の「技術王国延岡」。
▽その4
東京オリンピックの金メダリスト大野将平氏・永瀬貴規氏をはじめ、多くのオリンピック選手を輩出してきた「アスリートタウン延岡」。
▽その5
江戸時代300年続いた城下町のべおか。天下人織田信長と徳川家康の2人のひ孫で、城主・有馬直純公の奥様「日向御前」のゆかりの地でもあります。最後のお殿様・内藤家より寄贈された天下一能面30面を使用して、人間国宝が舞う「天下一薪能」。
▽その6
「日向神話の本舞台<宮崎県北編>」(日向神話研究会発行)と、宮﨑照雄氏著の「記紀神話は日本の古代史を物語る」この2冊の本が、延岡が天皇家のふるさとであることを、歴史的事実として証明しました。「天皇家のふるさと延岡」、「宮崎県北は日向神話の本舞台」、観光延岡が全国に打って出る、大きなのぼりが立ち上りました。
▽その7
延岡観光の一番の商品・売りは、実は、延岡市民のお接待の心です。「延岡は食べ物がおいしい、延岡の人は非常に優しくて穏やかです」と、よそから延岡に来た人は必ず言います。まさしく、「優しくて穏やかなお接待の心こそ、延岡観光の一番の商品」であり、売りであります。
今、日本一を目指す朝市を企画しています。メンバーはJA延岡、漁協、商工会議所、旭化成、国土交通省、延岡市、観光協会です。月1回開催、月2万人、年間24万人の来場者を目指します。100万人観光の大きな流れは出来上がりました。
今年は旭化成の100周年です。延岡市はもちろん、私達市民も本当にお世話になっていると思います。一緒に祝賀行事を盛り上げたいと思います。
観光大使、特命大使も全国で36人になりました。協会会員も10年前は278人でしたが、おかげで現在390人になりました。会員の皆様、市民の皆様のご期待に応えるように、理事・職員一同全力で頑張ります。今後ともよろしくお願いいたします。元気のべおか復活を目指し、今後も一生懸命頑張ります。本当にありがとうございました。
今後は、延岡観光協会と今山八幡宮のお手伝い、そしてふるさとを元気にしよう、楽しい町にしようと頑張っている人達や団体を応援する会「ワンズクラブ」の代表として頑張りたいと思っています。別府の皆様、これまで同様のお引き立てを心よりお願い申し上げます。
宮崎県延岡市
谷平 興二