別府警察署(小林一成署長)は26日午後4時、同署2階会議室で特殊詐欺被害未然防止の貢献者に感謝状を贈呈した。
感謝状を贈られたのは、大分みらい信用金庫石垣支店事務担当の甲斐友菜さん(23)。また、同支店の阿佐修介次長が同席した。
感謝状を手渡した小林署長は「今回は、特殊詐欺を看破し通報していただきました。高齢者の貴重な財産を守っていただき、本当にありがとうございました。今後も、特殊詐欺被害防止をお願いします」と述べた。
功労内容は、7月15日午後4時すぎ、甲斐さんは同支店のATMに置き忘れられたキャッシュカードの所有者(70歳代女性)に返還手続きを行った際、女性にキャッシュカードを置き忘れた理由などを聞いた。理由は▽普段利用しないATMで振込手続きを行おうとしていた▽振込名目は、身に覚えのないサイト利用料であり高額▽振込に際し、連絡を取っていた相手の電話番号が不審であり、相手から各種指示があった―などから詐欺の可能性が高いと判断。直ちに副支店長に相談。別府署に通報した結果、高齢女性が架空料金請求詐欺の被害に遭っていることが判明し、特殊詐欺被害を未然防止に繋がった。
なお、高齢女性は同日午前10時すぎ、犯人(男)から携帯電話に連絡があり「サイト利用料金約30万円が料金未納」と請求された。だまされた高齢女性は、男の指示で支店窓口閉店後の午後4時ごろ、ATMへ行かされた。振り込もうとしたが、ATMの操作が出来ず、犯人の男に連絡するため、店外に出た際、キャッシュカードを置き忘れていた。
甲斐さんは「感謝状をいただき、お客さまの大切な預金をお守り出来て良かったと改めて思いました。女性から『振り込んだらお金が返って来る』や『カードでATMからすぐに振り込んで欲しい』と聞いたので、おかしいと思いました。女性からは『振り込む前で良かった。ありがとう』と言われました」と述べた。
後藤省吾別府署生活安全課長は「電話やメールでお金を請求されることが多くなっています。お金の話が出たら、詐欺を疑って、周りの人や警察に相談するなど用心して下さい」と話した。
別府署管内では今年に入り6月末までの特殊詐欺の認知件数は9件(昨年同期比4件増)、被害金額は約530万円(410万円増)となっている。