別府が舞台の特番

仲村トオルさん
三浦透子さん

 在京のジャーナリストが都内で、一冊の美術書を手に入れた。頁をめくると別府市立南小学校の古い「通信簿」がページに挟まれて出てきた。昭和23年に卒業したA子さんのもの。ご存命なら80歳を越した高齢者ということになる。A子さんの「通信簿」や「修業証書」、学校からの「連絡簿」をもとに、大手のTV制作会社が取材することとなった。
 別府市教育委員会を皮切りに今日新聞本社、A子さんが在住していたと思われる南部地区一帯をクマなく歩き廻った。
 製作社は終戦77年を迎え、その当時に生きた人物にスポットを当て、戦前戦後の日本を振り返ることで、戦禍を逃れ平和を希求する日本人の姿を検証しようと、このプロジェクトを組んだ。
 一枚の通信簿が発端となって、終戦直後の別府の姿をメインに2時間の「特番」で放映することになった。A子さんの経歴や生活背景を調べるうちに、頭脳明晰にして、終戦直後に引き揚げて来た人物である事をつき止めた。見ごたえのあるドキュメンタリーとして別府市民共有の歴史物語として纏め上げられたようだ。
 放送はBS―TBSで14日(日)午後9時から10時54分までの約2時間。番組タイトルは「通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今~」
 番組のナレーションはベテラン俳優の仲村トオル、別府を訪れる旅人として三浦透子(アカデミー賞国際長編映画賞受賞作品「ドライブ・マイ・カー」出演)がそれぞれ登場する。