困難乗り越えた明豊野球

困難乗り越えたねばりの明豊野球。球児の夏は終る(写真提供:読売新聞社)

 第104回全国高校野球選手権大会の第10日目となる15日、第3試合に大分県代表の明豊が愛知県代表の愛工大名電と対戦し、2―5で5年ぶりの8強とはならなかった。目標の「日本一」には届かなかったが、甲子園の頂点をめざす全国3857校(令和4年度日本高校野球連盟加盟校)のうちの16校に名を連ねた。
 明豊の先発は、今大会初めて投げるエースの江藤隼希主将。愛工大名電に1回裏、犠飛から1点を先制される。2死1塁から走者が2盗をするが、明豊の鈴木蓮捕手の強肩でアウトにする。
 2回表に嶽下桃之介選手の四球、牧野太一選手の内野安打で無死1、2塁と得点の好機を迎える。続く鈴木選手の犠打で1死2、3塁と一打逆転の好機を迎えたが、後続が続かなかった。
 2点を追いかける明豊は4回表、牧野選手が左翼に安打、その後、2盗を成功させる。鈴木選手が三振した際、捕逸で1死3塁となる。続く西村元希選手の中犠飛で1点差となり、追い上げムードが高まる。しかし、愛工大名電が4回裏に1点、5回裏に2点を追加し、明豊との差を4点とする。
 明豊は相手の好投と好守に得点が入らなかったが7回表、森山塁投手(3人目)が愛工大名電の有馬伽久投手のインコース低め直球を弾き返して右翼線に3塁打を放つ。宮崎元哉選手の2塁ゴロの間に、森山投手が本塁を踏んで2点目を入れて3点差となった。
 しかし、愛工大名電の有馬投手の前にこれ以上の得点を重ねることが出来なかった。
 試合後、川崎絢平・明豊高校野球部監督は「予想以上に愛工大名電高校の先発投手のできが良くて点を取るのが難しかった。ただ、三振して簡単にアウトになることは少なかったので食らいついていけていたと思う。それ以上に、愛工大名電の守備の球際の強さが上回った」と話した。