別府市は、人権教育・啓発実施計画(令和3年度~7年度)を策定し、年度ごとに実施報告と実施計画書をホームページ上で公開している。「別府市人権教育及び人権啓発基本計画」の具体化を図るためのもの。
計画は▽人権教育・啓発に関する施策=市民が主体となる人権教育・啓発の推進、人権尊重の視点に立った行政の推進、あらゆる場を通じた人権教育・啓発の推進、同和教育の成果を踏まえた人権教育・啓発の推進▽人権課題に関する施策=同和問題、女性の人権問題、子どもの人権問題、高齢者の人権問題、障がい者の事件問題、外国人の人権問題、医療をめぐる人権問題、性的少数者の人権問題、さまざまな人権問題ーに取り組んでいる。
所属ごとに単年度の進行管理を行うことで、達成できたもの、継続して推進するものなどの進捗管理を行う。報告書には達成度に応じて1~5と該当せずの6段階の評価を行っている。
令和3年度は、新型コロナウイルスの影響もあり事業が縮小した部分もあるが、啓発活動などを行った。
改定した計画では、性的少数者の人権では、パートナーシップ制度について調査・検討をする。SDGs(持続可能な開発目標)についても、目標を掲げている。
また、新型コロナの感染拡大により、差別や中傷が全国的に起きており、差別防止を呼びかけるポスターを作成したり、各種講座で「不当な差別やいじめは絶対にあってはなりません。1人ひとりが思いやりの心を大切にし、人の気持ちに寄り添い、お互いの人権を尊重し合う、持続可能な共生社会のまち『べっぷ』をつくっていきましょう」と呼びかけている。
令和4年度は、外国人の人権問題の中で掲げた、ヘイトスピーチ解消法の周知等、外国人に対する偏見や差別意識の解消に向けた取り組みも進めたい考え。河野幸夫別府市共生社会実現・部落差別解消推進課長は「これからは、ウイズコロナで取り組みを進めていきたい」と話した。