新たに2地域を特別保護地域指定

大分県と別府市が共同で行った調査で特別保護地域を指定=令和元年の調査の様子

 大分県と別府市は平成30年度から令和2年度にかけて、共同事業として市内の全源泉を対象とした「温泉現況調査」と、将来の温泉資源量を予測する「温泉賦存量調査」を行い、今年4月から、2つの地域において新たな掘削が出来ない「温泉特別保護地域」を指定している。
 別府温泉は、近年、温泉の温度低下や噴気・沸騰泉の減少が確認されており、調査を実施。今回の調査では、どこの温泉で、どれぐらいのお湯が出ているか等のデータを集めながら、別府市全域の温泉分布の現状把握をし、その現状把握に基づいて、100年後の2120年のシミュレーションをした結果、泉源数や、お湯の使用量がこのままの状態で続いたら温泉が冷えてくるという予測が出た。また、バイナリー発電が増えていったらどうなるかといったような調査を行い、大分県環境審議会温泉部会で、別府温泉の適正かつ持続可能な利活用のためには、新たな保護規制が必要という結論になった。
 別府市にはすでに亀川、鉄輪、南部の3カ所の特別保護地域がある。今回指定されたのは、鉄輪温泉の南側の「西部特別保護地域」と堀田温泉や、観海寺温泉に位置する「南立石保護地域」。既存泉源の老朽化などに伴う代替の温泉掘削は可能。
 調査の結果を基に、「おんせん県おおいた」の中核を担う別府温泉の持続可能な利活用と保護の施策について考えていくことにつなげる。