しんきんイノベーション別府デモディ

「共創」について講演する村田部長
観光・産業の活性化の2つの取り組みの成果報告が行われた

 信金中央金庫(柴田弘之理事長)と大分みらい信用金庫(森田展弘理事長)主催の「しんきんイノベーションプロジェクトin別府デモディ」が2日午後3時半、別府市公会堂で行われた。関係者以外の参加者はオンラインで視聴。
 プロジェクトは、これまでの方法とは違って新たなアプローチで、重層的に地域課題を解決することが目的。地方自治体、信用金庫、スタートアップ企業(イノベーションを起こして、短期間のうちに圧倒的な成長率で事業を展開する企業)が連携して、最新のテクノロジーや斬新なアイデアで付加価値を創出し、スピード感のある取り組みを行う。
 株式会社IDMとOlive株式会社が「観光タクシーのお客様への感情計量による観光活性化」、別府市竹細工伝統産業会館と株式会社CLIPsが「別府竹細工のリプランディング~竹のある生活2022デザインコンテスト~」にそれぞれ取り組み、観光産業・伝統産業の活性化を実現する。
 デモディでは、村田宗一郎eiiconカンパニー・エンタープライズ事業部長が「明日から始める!『共創』による新たな事業の生み出し方」と題して講演した。村田部長は「日本経済は停滞し、結果的にイノベーション分野では後進国になったと言われている。モノからコトへの変化や情報の多様化を背景として、ビジネスの在り方が大きく変化している。共創は、企業内部と外部のアイデアや技術を意図的に組み合わせるもので、あくまでも方法論。企業価値の向上に他ならない。難しく考える必要はありません。何のためにやるのかの目的を明確化することが一番大切。自社のビジョンや創業当時の想いに立ち返ることが重要。既存の事業を向上させることもイノベーション」などと話した。
 引き続き、成果発表会が行われ、長野恭紘別府市長、山本眞郎大分みらい信用金庫副理事長、須藤浩信金中央金庫副理事長がゲストとして登場し、プレゼンを聴いた。感情計測による観光活性化では、樹下有斗IDM代表取締役と大平和人オリーブCTO(最高技術責任者)兼COO(最高執行責任者)が登壇。樹下代表が「よく知られた観光地ではあるが、プラスワンとなる観光スポットがない。魅力的なものは沢山あるが、知られていないことが課題。重要な移動手段であるタクシーに感情を可視化するタブレットをつけ、観光×感情で観光振興につなげたい」と説明。タクシーに乗車した観光客の感情を読み取るシステムを使い、現在の気持ちにあった新しい観光体験を提供することで、付加価値を高め、観光消費単価を上げることを提案した。
 竹細工のリプランディングでは、宮坂美穂市竹細工伝統産業会館長、大谷健一別府竹製品協同組合専務理事、張軼炤クリップス代表取締役が登壇。「若手作家が『モノづくりに集中できる』システムの構築」をテーマに設定し、職人が将来に不安を感じることがないようにするため、ライブコマースを手がけるクリップスと連携する。ライブコマースは、インターネットを通じた動画のライブ配信で視聴者と配信者がコミュニケーションをとる新しい対面型のコミュニケーションツールで、中国を中心に広がっている。張代表は「竹細工は大きな可能性を秘めている」として「認知アップ、売れるものの検証、売れる仕組みを作ることが大切」と説明。現在、インスタグラムを活用したデザインコンテストを開催しており、若い世代にも関心を持ってもらう取り組みをしていることを報告した。
 今後、2つの取り組みを連携して取り組んでいく。