澄んだ歌声で思いを伝える

様々な経験をしながら子育てをする
monさんが思いを歌にのせて伝えた

 別府市教育委員会は16日午後7時、市公会堂で令和4年度社会教育活動総合事業「子育て応援講座拡大講演会」を開催した。
 講師は、子育てシンガーmon(高橋亜美)さん。大分市出身で、別府商業高校を卒業した。現在は福岡県で2人の子育てをしながら、コンサート活動を続けている。叔父はにしきのあきらで、在日韓国人であるADHD(注意欠陥多動性障害)があり、いじめられた過去などを持つ。
 「私は、6人兄弟の末っ子で、生まれる時に両親がお店を開店するということで、6年ほど、お父さん側のおばあちゃんに預けられました。優しくて、お姫様のような扱いを受けて育ったのですが、小学生になる時に家族で暮らすことになり、急に大勢の兄弟ができた。今でこそADHDとか病気だと知られていますが、当時は、落ち着きのない子として、先生に怒られていました。やりたい事をやりたい時にやる子だった。いじめる男子も、無視する女子も、助けてくれない先生も嫌い。学校自体が大嫌いだった。でも、3年生の時に担任の先生が好きになり、学校も好きになっていった。先生は授業中に歌いだしても、変な落書きをしていても、褒めてくれた。文字が多いとチカチカして読みにくかったけど、先生のアドバイスで読めるようになった。先生のおかげで、回りの子どもたちの態度が変わった。大人が子どもに与える影響を目の当たりにした」と当時を振り返った。
 「大人はみんな良い人ではないし、助けてくれるわけでもない。でも、助けてくれる大人も沢山いる。大人が話を聴く姿勢があれば、子どもたちは『あのね、あのね』と言える。一緒に泣いてあげるだけで、死ぬのをやめる子がいる。あなたの言葉で、誰かの心に花を咲かせ、勇気を与える。私にとっての『居場所』は、私を全部受け止めてくれる場所、『あのね』と言える場所、その場所で私が嫌われていないという自信が持てる場所」と話した。
 話の途中で「短い愛の歌」や「ともだち」など素直な気持ちを込めた歌を披露。澄んだ歌声と、時には穏やかに時には感情豊かに率直な自分の気持ちを話すmonさんに、会場から温かい拍手が送られた。
 次回の子育て応援講座は、10月11日午前10時、市中央公民館で、量り売りからはな百貨店の井藤優子さんが「SDGsな取組み 環境にやさしい“みつろうラップ”ワークショック」を行う。託児もある。問い合わせは、社会教育課(電話21・1587)へ。