別府市議会の予算決算特別委員会(荒金卓雄委員長)は28日正午、令和3年度決算認定審査が終了したことを受けて、長野恭紘別府市長に対して意見書を提出した。
市原隆生市議会議長と荒金委員長が出席。荒金委員長が「意見書を令和5年度の当初予算に反映させ、議会に回答してほしい」と長野市長に意見書を手渡した。長野市長は「皆さんにご心配をおかけして、議会運営にご迷惑をおかけし、心から申し訳ないと思っています。現在、来年度の予算編成に向けた動きがあります。来年度は選挙の年なので、骨格予算に限りなく近い予算になると思いますが、出来る限りご意見を反映させ、予算の編成に取り組むことを念頭において行いたい」と述べた。
意見書では▽持続可能な財政運営について、観光を中心とする本市の社会経済構造を踏まえ、地方税等の歳入が減少している中、一般財源に及ぼす影響を十分考慮した市政運営を進めていく必要がある。経常収支比率は大きな改善が見られるが、地方交付税や特例交付税等が増加したことが要因。今後も国の政策・直接税や特定収入などを考慮する必要がある▽補助金の必要性の検証について=公益性や公平性を確保する必要があり、十分な審査と効果検証を実施し、必要最低限の予算執行とすること。費用対効果の検証を十分に行うとともに、補助金の透明性の確保に努めること
▽公共施設跡地の利活用について=人口構造の変化に伴う更なる高齢化社会を見据え、避難所機能や高齢者の食生活の支援など、特に高齢者の意見を把握し十分に反映させること▽保育所の人員確保について=今回の処遇改善を一時的なものにせず、保育所運営費補助金等で補てんするように、国に強く要望すること
▽水道事業会計について=一般会計からの繰入金比率が、類似団体や全国平均と比較して大きな格差がある。市民に過度な負担を求めることなく、水道事業の長期的な安定性を確保する観点から見直しを検討すること▽次年度の予算編成等について=これまで以上に財政規律の維持に努め、事務事業の十分な精査をした上で、縮小、廃止等の見直しを行うこと。将来を見据え、必要性、緊急性をもとに優先順位をつけた中での予算編成を実施すること。コロナ収束後の消費意欲の急激な活発化の需要に確実に取り組むことを視野に入れた戦略的施策に取り組むこと。加えて、激甚化する自然災害に対応するため、将来への投資的事業についても必要に応じて計画修正を行うなど、柔軟な事業執行に努めることーとしている。