別府市の令和5年度予算編成方針説明会

来年度の予算編成に向けて、訓示をする長野市長

 別府市は、令和5年度予算編成方針説明会を3日午前10時、オンラインで行った。
 全国的には、消費者物価指数は12カ月連続で上昇し、5カ月連続で2%を超えているが、物価上昇に賃金の伸びが追いついていない状況がうかがえる。一方で、雇用環境は改善傾向にあり、有効求人倍率は、別府管内でも0・97倍とコロナ禍でもっと良い水準まで持ち直してきている。令和5年度もコロナの感染予防対策と社会経済活動とのバランスは求められるものの、以前のような感染防止のために行動制限が課せられるとは考えにくい、と見込んでいる。
 別府市の経常収支比率は4年連続で改善し、財政調整用基金は86億円を確保している。今年度は、コロナ対策や物価高騰対策などで難しい財政運営となっている。5年度の見通しでは、歳入では個人市民税や固定資産税の増加による市税の増収を予測し、地方交付税や臨時財政対策債などを含めた一般財源は、今年度並みを確保できる見込みとしている。歳出では、公債費は減少するものの、扶助費の増加が見込まれており、新たな課題への対応、人口減少対策、公共施設の老朽化対策など、増す一方の財政需要に対応することが必要で、多額の収支不足が見込まれている。
 限られた財源を有効かつ効果的に活用するため、経常的経費を抑制しつつ、事業の緊急性、必要性、費用対効果などを見極めて優先順位をつける。各配分対象経費は、扶助費を除いて経常経費充当一般財源を出来るだけ抑制して配分し、それ以外の経費は一件査定を行う方針。
 また、5年度は統一地方選挙があるため、義務的経費を中心とした「骨格予算」となるが、予算要求は、年間予算を前提として行う他、市民の心に寄り添った行政サービスの提供、エビデンスに基づいた政策の推進、子ども政策の推進、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した取り組みーを基本として編成する。
 長野恭紘別府市長が「コロナ禍も2年半が経過する中で『これまで』と『これから』を見つめ直す時間をもらったと思っている。市民の皆さんがしあわせを実感できる市役所、感謝される市役所をこれからも目指していきたいというのが、私の基本的な考えであり、原点。財源が限られた中であっても、現在と未来を同時に考えながら実行する。難しいが、やらなければならない。これからも、挑戦、アクションを果敢に起こしていきたい。世の中の流れを見つつ、別府で今何が起こっているのか、些細なことでも動きを見逃さず、政策立案の糧にしてもらいたい。新年度は、ポストコロナ元年になると思います。抑えられていた観光需要が急激に復活してくると思う。観光4本柱をはじめ、ポストコロナを見据えた活動は十分やってきました。今後は、観光で得た果実を別府の未来を担う世代に還元するシステム構築に取り組んでいきたい」などと訓示。
 安部政信企画戦略部長が、編成方針について具体的に説明をした。