別府市で第131回九州市長会開催

全国市長会への要望事項などについて協議を行った総会
市竹細工伝統産業会館を視察する市長会メンバー

 第131回九州市長会(会長・田上富久長崎市長、119市)が18、19日に別府市で開催された。
 総会は杉乃井ホテルで行われ、開催地の長野恭紘別府市長が「別府市は、緑豊かな自然と温泉に恵まれた市です。先日は、皆さんをお出迎えするために、清掃活動もするなど職員が頑張ってくれました。楽しんでいってほしい」とあいさつ。
 田上会長は「コロナ禍でリアルに皆さんと再会できました。別府市での大会は、昨年春に予定されていたが、1年凍結になっていた。再度の準備でご苦労をかけました。コロナ禍はもちろん、物価高、原油高や西九州新幹線開通など様々な動きがあると同時に、大きな社会全体の変化が進むと感じています。DX、カーボンニュートラル、働き方、官民連携も強まっている。社会を動かしていくためのOSの転換期。考え方や仕組みを変えないといけない。社会全体を支えるOSとなると、国との連携大切。アップデートの時期だと思う」とあいさつ。
 来賓の尾野賢治大分県副知事が「コロナの第7波もようやく収束に向かっていますが、為替変動、物価高など心配がある。踏ん張って経済の再生をしていなければいけない」。全国市長会の江里口秀次副会長(小城市長)もそれぞれ祝辞を述べた。
 議事では、各県から出された議案▽行政関係=都市財政の拡充強化、災害対応力強化のための支援、施設設備事業等に対する財政措置▽社会文教関係=国民健康保険制度及び高齢者医療制度▽地域医療保険の充実強化▽福祉施策の充実強化▽介護保険制度▽学校教育の充実▽新型コロナウイルス感染症▽経済関連=九州新幹線の整備促進▽高速道路網等の整備促進▽農林水産業の進行ーについて、一部新規を加えながら、要望内容を整理し決定。都市財政の拡充強化、福祉施策の充実強化、学校教育の充実、新型コロナウイルス感染症、農林水産業の進行の5項目について、全国市長会への支部提出議案とすることを決めた。
 また「農業及び漁業生産に係る費用高等対策に関する決議」として▽燃油価格高騰対策▽肥料価格高騰対策▽飼料価格高騰対策▽持続可能な農業及び漁業の確立に向けた取組みーを講じることを国に要望することを決めた。
 第132回総会は沖縄市と決まっているが、第133回総会(来年秋)について、熊本県熊本市で開催することが承認された。次期開催市の桑江朝千夫沖縄市長があいさつをした。
 防災部会から、部会長の高島宗一郎福岡市長が陸上自衛隊西部方面隊との協定締結について報告。九州市長会として協定を結ぶことで、県を通さずに直接、九州市長会から支援職員等の輸送を要請でき、時間短縮が図られるなどのメリットがあることを説明。原案通り可決され、今後、協定締結を行うこととした。災害派遣要請は、これまで同様、県が行う。
 19日は、意見交換会として、奥塚正典中津市長が「歴史と商工業のまち中津の挑戦」、原田啓介日田市長が「激甚化する災害に向けて」、川野幸男津久見市長が「地域共生社会の実現 にぎわいと活力を創造するまちづくり」と意見発表。一行はこのあと、竹細工、共生社会、志高湖・フォレストアドベンチャーの3つのコースに分かれて視察を行った。