豊の国千年ロマン観光圏

アドベンチャーツーリズムについてオンラインでセミナーを実施

 一般社団法人豊の国千年ロマン観光圏(会長、松川幸路別府市観光・産業部長)は20日午後1時半、アドベンチャーツーリズムセミナーをオンラインで開催した。宿泊施設や飲食店交通事業者、観光に従事する人など29人が参加した。
 アドベンチャーツーリズムとは、「アクティビティ」「自然」「文化体験」の3つの要素のうちの2つ以上で構成される旅行。旅行者が地域独自の自然や地域のありのまま文化を、地域の人とともに体験して、旅行者自身の自己変革や成長の実現を目的とする旅行形態のこと。
 第1部は、「アドベンチャーツーリズムとは」をテーマにインバウンド旅行事業を展開するリベルタ株式会社(東京都)の澤野啓次郎代表取締役が「アドベンチャーツーリズムの受入で広がるチャンス。新たな顧客の価値観とは?」、林美希子執行役員COOが「世界から求められる日本型サスティナブルツーリズムとは?」、増田信子インバウンド商品開発担当兼セールス担当が「海外から求められる宿泊・食事施設のサービスとは?」と題してそれぞれ講話。
 林さんは、欧米豪では、脱プラが進んでいることを説明。「自然への配慮や地場のものを使用したものを宿泊施設に求める。単価は、サスティナブルな取組であがるのは、大丈夫。サスティナブルツーリズムは、若年層の方が関心が高い」。増田さんは、欧米豪の観光客に喜ばれるサービスポイントとして、美味しいコーヒーやシリアルや地元のフルーツ、早朝出発のボックスミール。プラスチックの問題はナーバスであることや量の多い食事は、残すのがもったいないため、時折負担に感じていることなどをアドバイスした。
 第2部は、和歌山県の熊野古道で「霧の郷たかはら」を経営する小竹治安オーナーが「アドベンチャーツーリズムが地域にもたらすもの」と題して、事例紹介をした。熊野古道は世界遺産に登録されている。「観光スタンスは、ブームよりルーツ。乱開発よりも保全。最初にやったのは情報発信で、受け入れ体制のために、英語表記をした。2010に官民半々の年着地型旅行会社を設立しました。ブランディングのサポートなど、客目線の広域連携を図っている」などとした。
 新型コロナウイルスの影響で、外国人観光客の入国制限が水際対策として長らく行われてきたが、10月に入ってから規制が緩和されたことで、多くの外国人観光客が日本を訪れ始めている。全国旅行支援もはじまっており、魅力を発信して観光客を呼び込むために連携を強める。