別府市内で初めての「農福連携」

首藤さんがトラクターで収穫しやすくしてサツマイモの収穫を手伝ってもらった

 農作業を手伝ってほしい農家を障がいのある人が農業分野を手伝う「農福連携」の取組が24日午前10時、別府市山の口の首藤れい子さんの畑で行われた。大分県東部振興局によると、別府での取り組みは初めて。
 首藤さんは今年から農地を増やしてサツマイモの「かん太くん」を植えている。今回、以前から知り合いがいた「株式会社みんなの絆 絆・サポートセンター」(別府市春木)に収穫の協力を依頼して実現した。センターからは4人と指導員1人が参加して、首藤さんがあらかじめツルを取り除いてトラクターである程度土をほぐした所を収穫してもらった。サツマイモは連なってなっているので、はさみで上の部分の切り方や、出荷できる大きさについてていねいに指導した。センターのメンバーは、掘り出して1つずつにする人と重さを確認する人で役割分担をして作業を進めた。
 障がいのある人が農業分野で活躍することを通じて、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取り組み。大分県でも人手がほしい農家とのマッチングを進めている。新たな働き手の確保につながる可能性も期待されている。
 農林水産省では、2019年に発信された農福連携等推進ビジョンで、「農福連携を、農業分野における障害者の活躍促進の取組にとどまらず、ユニバーサルな取組として、農業だけでなく様々な産業に分野を広げるとともに、高齢者、生活困窮者、ひきこもりの状態にある者等の就労・社会参画支援、犯罪・非行をした者の立ち直り支援等にも対象を広げ、捉え直すことも重要である」と明記。
 一方で、障がいと一言でいっても様々で、人によって違いがある。指導員の意見を聞きながら、マッチングを進めているが、農家の理解も必要。
 農家と障がい者相互理解による連携促進のため、県では「お試しノウフク」の支援やアドバイザーの派遣を行っている。新たに農福連携に取り組む農家に相互理解を進める目的で、実際に数日間、障がいのある人を受け入れることによって施設外就労や障がい者雇用に繋げていきたい考え。