石垣モデル地区避難所運営訓練

避難者が石垣小学校に到着し検温などの受付をした

 別府市連合防災協議会が令和4年度防災活動推進地域(モデル地区)に決定していた石垣地区で住民を主体とした避難所運営訓練を10月30日午前8時20分、市立石垣小学校で実施した。
 「突発的かつ大規模な災害が発生した場合」に、自主防災会、行政や施設管理者などが協力・連携し、地域主体で円滑な避難所運営が行えるよう、事前に「避難所運営マニュアル」を基に地域の実情に合わせて協議・決定した避難所運営要領について、その内容を検証することが目的。
 開会式が午前8時20分から同校グラウンドで行われ、長野恭紘別府市長が「本来なら令和2年に実施する予定でしたが、コロナの影響で実施できず、本日こうしてできるようになりました。平成28年に熊本・大分地震がありました。あのとき、大変な思いをして避難所の運営などさまざまな共助をしていただいたと思います。あのときの思いを忘れないよう、大規模災害のときに命を失わずに住民の皆さんを中心として避難所の開設と運営をしていただくことが目的です。地域の絆、連携を再点検をすることについても、有意義な訓練にしてください」。
 石垣地区防災士会の井上直利会長は「2年前の訓練では避難を主体にしていましたが、今回は避難所運営に重点を置いた訓練にしました」とそれぞれあいさつした。
 南海トラフ地震が午前8時30分に発生した想定で、運営委員らが現地に到着したとして体調チェックなどをして受け入れ準備を行った。避難者が午前9時ごろから到着し、検温。検温で37・5度以上のときと、平熱のときで避難所スペースを分けていった。
 災害から72時間経過を想定した午前10時、給水車や物資が到着、ライフラインの一部が復旧した。その際、避難者から「充電がしたい」「処方薬が無くなった」「食事の制約がある」などの苦情が出ると想定した。
 災害から1週間経過を想定した午前11時、ライフラインが全部復旧し、さらなる物資が到着、各種支援団体が到着した。
 車いす利用者が避難しており、スロープが受付のある一番上まで繋がっておらず4~6人が利用者を車いすごと持ち上げていた。またマンホールトイレを設置した際も、健常者用だけでなく車いす利用者用のテントを設置。いろいろな問題点が浮き彫りになった。
 車いすで避難してきた男性は「今回の訓練で分かったハード面、ソフト面両面の問題点を改善してほしい」と話した。
 避難所運営訓練は平成30年11月に亀川地区、31年3月に境川地区、令和元年2月に緑丘地区で実施し、今回で4回目の開催。
 訓練の1カ月後を目途に、運営側参加者による振り返りを行う予定。