ウェルネスツーリズムの考え方は

「新・湯治」について楠本推進官が講演した

 別府市は2日午前9時、「地域の魅力を活かす温泉地づくり~新・湯治の推進~」講演会を行い、職員約80人が参加した。講師は、楠本浩史環境省関東地方環境事務所地域循環共生圏構想推進室地域循環共生圏構想推進官。
 はじめに、長野恭紘別府市長が「国の方向性や世界のトレンド、別府が生き残っていく観点からお話しをいただく。新・湯治ウェルネスツーリズムの発展なくして別府の将来はないと思っている。知識を深め、自信をもって事業を進めていきたい」とあいさつ。
 楠本推進官は「病気を直すのがこれまで『湯治』と言われてきた。自炊をしながら長期滞在をするのが原型。時代に合わせて考え方を変えていけばいい。自分たちで過ごしやすいように過ごす、心の面での湯治。大事なのは、選べる温泉地かどうか。温泉以外のものがどれだけあるか。それがなくても、どれだけ楽しめるか。自分たちの特徴を最大限生かすためには、探さなければいけない。それを市民に提供できているか、旅館ホテルや飲食店で共有、共創できているか。ハブになれるのは、市役所だけ。健康によいというエビデンスをとることが大事」
 「温泉を観光型に振り切ったのが日本の特徴。大事なのは、地域がやるということ。1人の力では地域への波及効果は少ない。地域に飛び出して市民と話してほしい。お風呂に入っているだけでそういう場ができる。大事なのは人。人がいるからストーリーがある」などと話した。
 午後からは、市議会でも同様の講演会を行った。