別府市のブックスタート事業

ブックスタートの意義について話す大津さん

 別府市教育委員会は、令和4年度から取り組む「ブックスタート事業」のボランティア研修及び説明会を7日午後1時半、市役所で行った。
 ブックスタートは、すべての赤ちゃんと保護者に、絵本を開く楽しい体験と絵本をセットでプレゼントする活動。1992年に英国で始まった活動で、2000年には、日本でも、東京都杉並区で試験実施。翌年からは全国の12市町村で開催され、2022年11月末現在で、1099市区町村で行われている。
 まだ言葉は分からなくても、抱っこされるぬくもりの中で絵本を読んでもらい、愛情を感じる時間を体験できる活動で、「リード(読む)ブックス」ではなく「シェア(共有する)ブックス」を目指す。
 東京都新宿区で活動するNPOブックスタートの大津智美さんが講師となって、ブックスタートの活動について話をした。「ブックスタートは、絵本を介して、親子が触れ合うきっかけづくりです。乳幼児健診のあとに5~10分の間に本を紹介したり、子育て支援の情報などを紹介したりしています。目の前で本を開くと、自然と温かい時間を分け合うことが出来る。しかし、保護者にプレッシャーをかけるものでも、赤ちゃんに負担をかけるものでもありません。体の力だけではなく、心も生きていく力をつけなければいけません。大切な存在だよ、愛されているんだよと感じさせること」
 「ボランティアは本に関心がない人も対象であることを意識することが大切です。目の前で楽しい体験をしてもらい、地域全体で子育てを応援していると伝えることが大切です。手間はかかりますが、大事なこと」などと話した。
 別府市では、1歳6カ月検診対象の子どもとその保護者が対象で、市保健センター、市立図書館、社会教育課で行うが、ボランティアは市保健センターでの月1回行われる検診時に声かけと絵本のプレゼントを行ってもらう。絵本は5冊準備されており、好きなものを選んでもらう。