別府市議会の令和4年第4回定例会④

 別府市議会は令和4年第4回定例会・一般質問2日目の午後からを12日午後1時から再開し、野口哲男氏(自民党議員団)、阿部真一氏同(同)、加藤信康氏(市民クラブ)が質問を行った。
 公共施設マネジメントや、防災、教育、インボイス制度などについて、執行部の考えを質した。

ウェルネス方向性は

野口哲男氏(自民党議員団)

野口 哲男氏

 野口氏は、ウェルネスツーリズムの定義について「ヘルスとウェルネスの違いは、心身の幸福度を追求するものだと思う。別府市がどのような方向でやっていくのか、しっかり確立した上でやっていく必要がある。どのような方向でまとめるのか」と質問。
 籠田真一郎都市計画課長が「新湯治・ウェルネスツーリズムを推進するため、核となる研究、実施調査、実現可能性のサウンディング調査などをする」と説明。
 野口氏は「アボイドエリアの指定など対策をしてきたが、乱掘をしないことを含めて、将来的にどうしっかり対策をとるかが大切。しっかりとした方針を持って取り組んでもらいたい。別府にしかないものを目指すべき。これまでの取り組みに欠如していたところではないか」と指摘。
 長野恭紘市長は「こうやって皆さんと一緒にやっていきたい、と説明を尽くしてやっていかないといけない。温泉の効果を見える化し、戦略的に観光を推進するのが、新湯治・ウェルネスツーリズムだと思う」と述べた。
 また、公共施設マネジメントについて、50年間で2221億円、年間の維持管理費は約44億4千万円が見込まれることについて「全国的にライフサイクルを意識してこなかった、経営感覚の欠如が背景にある。固定資産台帳等が整備されていれば、課題にはならなかったのではと言われている」とし、「官民の協働で『運営』から『経営』への発想転換が求められるのでは」と指摘した。
 指定管理制度の活用術などについても質問した。

災害時の要支援者対策は

阿部真一氏(自民党議員団)

阿部 真一氏

 阿部氏は、災害時の避難行動要支援者名簿の作成について、別府市の対応を質問。
 入田純子高齢者福祉課長が「名簿を策定し、災害が起きた時には避難所等に名簿を提供し、同意を得た人を地域に情報公開をし、実効性のある避難支援が行われるように取り組んでいる」と説明。
 阿部氏は「熊本地震以降、地域の防災の意識はかなり高い現状にある中で、住民が自助、共助の中で何をしていくか、行政としてどのように市民に指示していくか、要支援者に対して、大変大切なことと思っている。訓練はかなり機運は高まっているようにあるが、公的な面で、要支援者名簿の掲載をどのように市民が受け取っていくのか、示し方が曖昧」と指摘。
 「名簿を使って支援者の計画を作っていくと思うが、個別避難計画の制作は、市町村の努力義務として示されている。別府市はどのように対象者を把握し、進めていくのか」と質問。
 中村幸次防災危機管理課長が「災害時に自力で避難困難な人を対象に、本人の同意をもとに作成。避難先、支援する人などを掲載することが必須。居住場所のハザード、心身の状況などを考慮し、優先度の高い人を令和3年5月から概ね5年以内に作成する」と答えた。
 阿部氏は「行政側がどのような先々の見通しをもって名簿、個別避難計画を進めるのかしっかり揃った上で各団体に協力を要請するのが道筋ではないか」とした。
 教育や行政改革についても質問した。

インボイス制度とは

加藤信康氏(市民クラブ)

加藤 信康氏

 加藤氏は、来年10月から消費税の仕入税額控除の方式として導入される、インボイス制度(適格請求書等保存方式)について、「国の制度だが、多くの人に関係がある制度」として質問。
 佐保博士市民税課長が「仕入れ税額控除を受けるための制度。発行するには、税務署長に2023年3月末までに登録申請を行う必要がある。消費税は、ほとんどの商品が10%だが、食品などには8%の軽減税率があるため、2つの税率が混在し、一目で税額が把握しにくい。正確に納付額を出すもの。1千万円以下の個人事業者が仕入れ税額控除を受けられないため、登録申請の必要が必要」と説明。
 加藤氏は「大事なのは個人事業主などが課税事業者を対象に事業をしていると影響を受けるということ。市内業者への影響もあり、知ってもらわないと生活に大きくかかわる。1千万円以下の事業者はどれほどいるのか」と質問。
 佐保課長は「収入金額別では集計されておらず、分からない」と答えた。
 加藤氏は「先々を見たうえで対策を講じないといけないと思う。市の方も業界の自主的な勉強会に任せるのではなく、相談体制もとれるようにしてほしい」と要望。市の会計への影響についても質問。
 矢野義知財政課長は「一般、該当する特別会計は申請必要。一般は申請済みで、特別も登録を進めている」。田原誠士上下水道局総務課長も「申請は終えている」と答えた。