杵築市は20日午後6時半、山香中央公民館で令和4年度の財政状況市民説明会を開いた。
平成30年度決算で経常収支比率が100%を超える事態となり、これまで行財政改革の実施や採用停止などの対策を行い、市民に財政状況を報告する集会を開いている。昨年度は、新型コロナウイルスの感染拡大のため実施できなかった。
平成30年度決算では、実質単年度収支が約7億5千万円の赤字で、額は合併後最大となった。経常収支比率は100・9%で、財政調整基金残高は、前年度から6億6千万円減少していた。
そのため、財政再建を目指して人件費の削減、全ての事業の見直し、使用料直しなどの対策をし、令和3年度には「未来戦略推進プラン」を策定して、市債発行抑制、市債繰上償還、ふるさと納税推進など、対策強化を図ってきた。
令和3年度決算においては、歳入の確保では、市税において人材育成と県や他自治体との情報連携や実態調査による積極的な徴収強化を図り、現年徴収率は99・3%(前年対比0・9ポイント上昇)に。ふるさと納税の促進では前年より1億4千万円増の8億2千万円となり、今年度も順調に推移しているという。
歳出の部では、人件費の削減を行い、職員数は317人(令和元年と比較し23人減)となった。市債剤高は37億5千万円以内を健全化条例ガイドラインで定めており、繰上償還を行うことで縮減を図っている。
3大目標である、財政調整基金20億円以上は23億2千万円、経常収支比率96%台は85・6%、市債残高200億円以下は215億1千万円となっている。しかし、新型コロナウイルスや円安、物価高騰などの影響もあり、令和4年度の決算は厳しいものになる見込みを示した。
永松悟市長は「物価高騰や円安など、取り組みに影響が心配されますが、持続可能な財政構造を強化していく」とあいさつ。内野剛・企画財政課長が財政状況について説明をした。
参加した市民からは「市外に住んでいる職員に住宅手当を出していると聞く。国東市は出していない。身内に甘いのでは」「地域の拠点づくりがストップしている。財政が持ち直しているのなら、再開してほしい」「山香地区のことを考えてくれているのか。風の郷はどうなっているのか」「地区内に公園がないので、設置してほし」など厳しい意見や要望が出た。
説明会は、21日に大田地区、22日に杵築地区でも行われた。