別府市が公立中学校で授業

介護や福祉について授業を行った

 別府市は公立の中学2年生を対象に、福祉・介護訪問授業を行っている。
 少子化が進み、介護分野の人材不足が全国的に深刻な問題となっている。これから、自分の進路を考える中学2年生に介護や福祉分野も1つの選択肢として感じてもらいたいと平成27年度から実施している。昨年は、新型コロナウイルスの影響で中止をした。
 講師は、別府溝部学園短期大学介護福祉学科の溝部佳子教授と棹友美准教授が務める。
 青山中学校(北村俊雄校長)では、27日、2年生156人を対象に授業を実施。1~4限目までを使い、クラスごとに行った。
 はじめに、棹准教授が介護分野について話した。「介護では、心の元気を回復するためにレクリエーションを行います。年を重ねると病気や体が思うように動かないなどの不安要素が出てきて、やる気がなくなり、ひきこもりがちになったりします。レクリエーションを通じて、人と話したり笑ったりして心が元気になると意欲も沸いてくる」と説明。
 実際に4、5人でグループを作って、西日本ビンゴゲームをした。9マスの中に好きな府県名を書いてもらい、先生が紙をひいてビンゴゲームをする。どの府県をどこに書くか、みんな真剣に話し合っていた。
 引き続き、溝部教授が福祉について授業。「福祉は、ウェルフェアといって、快い状態が続く、幸せそのもの。ハッピーとの違いは、ハッピーは一時的なものであること。快い状態は崩れやすく、人が作ってくれるものではなく、自分でつくるもの。介護は、1人ひとりのためにある」などと話した。
 授業を受けて、宮木奏さん(14)は「福祉は、これまで病院とかしか関係ないと思っていましたが、自分たちの暮らしや生活にも大きく関係があると思いました。(授業を受けて)興味が持てた」と話した。