別府警察署が感謝状を贈呈

感謝状が贈呈された大分みらい信用金庫亀川支店の稲葉由菜さん(前列右)

 別府警察署(小林一成署長)は2日午後4時30分、同署2階会議室で特殊詐欺(還付金詐欺)被害未然防止の貢献者に感謝状を贈呈した。
 感謝状を贈られたのは、大分みらい信用金庫亀川支店職員の稲葉由菜さん(22)=日出町在住=。また、同支店の菅田仁士支店長も同席した。
 感謝状を手渡した小林署長は「銀行の皆さんは最後の砦として、声をかけていただいて顧客の貴重な財産を守ることできました。ありがとうございます。今後も防止活動をしてください」と述べた。
 功労内容は、今年1月20日窓口業務終了後の午後3時30分ごろ、稲葉さんがATMコーナーに出たところ、60歳代の高齢女性からATMの操作方法について質問された。女性の話を聞いたところ▽振込先などを聴取すると「還付金が戻ってくる」「市役所や銀行から電話がかかった」などと答えたこと▽女性からの聴取中、女性の携帯電話に電話がかかり、電話の相手が市役所職員を名乗ったが、県外番号からの電話で、しかも「ATMの操作方法を教える」などを言っていた―などから、還付金詐欺であると看破し、速やかに菅田支店長へ報告し、別府署に通報するなどして、特殊詐欺被害を未然に防止した。
 また高齢女性は同日午後2時30分ごろ、自宅の固定電話に市役所職員を名乗る男から電話があり「保険料の還付金手続きの期限が12月末まででしたが、今ならまた手続きできます。ご利用の金融機関はどこですか。確認後に金融機関の者から連絡させます」などと言われた。その後、金融機関職員を名乗る男から電話があり「今から金融機関のATMコーナーに行き、着いたら電話(市外局番宛)をください」などと言われて、犯人の指示されるまま、ATMに誘導されていた。
 稲葉さんは「お客様の預金を守ることができたのと、感謝状という形として受け取れたので嬉しい。女性の話を聞いたときに『怪しい』と思いました。詐欺の場面を目の当たりにしたのは初めて。お客様へ最初に『詐欺じゃないですか』と聞くのは勇気がいりました」。
 菅田支店長は「今回、被害に遭われかかったお客様も特殊詐欺の存在は知っています。言葉巧みに誘導されて信じ込んでしまうことに驚きました。我々、金融機関の職員としては今まで以上にお客様に対して詐欺被害防止の啓発活動をより一層取り組んでいかないといけないと感じました。特に高齢な方に対しては、苦情を覚悟でいろいろ詳しく話を聞くようにしています」とそれぞれ述べた。
 また同金庫石垣支店職員が令和4年7月26日、架空料金請求詐欺の被害未然防止功労で感謝状を贈呈している。