別府市議会の予算決算特別委員会③

 別府市議会の予算決算特別委員会(荒金卓雄委員長)は9日午前10時、令和5年度の当初予算案等の議案について、個別質疑を行った。
 泉武弘氏(行財政改革クラブ)は、温泉マネジメント計画策定について「なぜ今なのか。温泉が枯れるということは、別府が枯れるぐらいの大きな意味がある。基本的な方針を決める必要があるのではないか。現状のままで地熱発電を容認することになれば、下流域の温泉資源は枯渇するのは目に見えているのでは。方針が固まったうえでの策定なのか」と質問。
 松川幸路観光・産業部長が「現況把握し、持続的可能な温泉資源活用をするもので、有識者会議などで検討してもらい進めたい。温泉資源の状況を注視し、国や県と連携していく」と答えた。
 泉氏は、バイナリー発電について「温泉保護に与える影響を現行のまま許して良いのか。計画策定に留意してほしい」と指摘した。
   ◇  ◇
 阿部真一氏(自民党議員団)は、子どもの居場所を運営する団体に対して行う補助金について「予算が360万円が計上されているが、積算根拠、運営費補助の要件はどう考えているのか」と質問。
 宇都宮尚代市民福祉部次長が「子ども居場所事業の新規開設に40万円、既存の事業拡充など機能強化に20万円、年間計画で概ね月1回、1年以上行う子ども食堂への運営費補助300万円で、20団体を想定している。市内で実施されることや、子どもの居場所ネットワーク会員、営利目的ではないなどの要件を想定している。事業完了後には、実績報告をしてもらう」などと答えた。
 阿部氏は「ヒヤリングをしっかりして、有効に補助金を使ってほしい」と要望。他にも、認知症対策に要する経費、観光施設に要する経費などについても質問をした。
   ◇  ◇
 美馬恭子氏(日本共産党議員団)は、医療的ケア児等コーディネーター協議会運営協議会について「医療機関との連携が必要だと思う。コーディネーターの資格や役割は」と質問。
 大久保智障害福祉課長が「医療的ケア児が地域で安心して暮らせるよう、関係機関との連携構築と必要な支援を行う。県が主催する研修の修了者で、現在12人いる。地域における支援や、家庭にあわせた支援を行う」と答えた。
 美馬氏は「家族への支援は必要。病院内で生活するより、家族と共に生活する人が増えており、12人では手が回らないと思う。支援態勢づくりをしっかりしてほしい」と要望した。
 他にも、子どもの居場所づくりや要保護児童対策、出産・子育て応援などについても質問をした。
 採決が行われ、一般会計予算、国民健康保険事業特別会計予算、介護保険事業特別会計予算については反対者がいたため、挙手で採決を行った結果、全議案について原案通り可決すべきものとした。委員長報告は最終日の20日に行われる。