別府市議会は令和5年第1回定例会の一般質問2日目を14日午後1時、本会議場で再開した。
午後からは、三重忠昭氏(市民クラブ)と泉武弘氏(行財政改革クラブ)が教育、温泉、農林水産業などについて質問をした。
高齢者優待入浴券復活を
三重忠昭氏(市民クラブ)
三重氏は、温泉の免疫力効果について質問。日置伸夫観光・産業部次長兼観光課長が、腸内細菌を調査し、免疫力分析を行った結果を説明。
「医学的効果を検証し、データとして見える化するのは、素晴らしいことだと感じている」と評価した上で、「温泉の医学的効果が出されたことを踏まえ、2019年に廃止になった高齢者優待入浴券について、多くの高齢者から、唯一の楽しみだったのにという言葉を耳にしてきた。廃止になった背景も理解できるが、年齢や回数などの再考は必要だと思うが、復活をしてほしい」と要望。
長野恭紘別府市長は「もう1度やってほしいという声はある。私個人としては、あった方が良いと思っているが、毎年の赤字額が億を超える状況で、入っていない人の税でまなかっていることや、区営温泉の経営を圧迫しているとの声もあり、総合的に判断した。市民入浴券を使ってもらい、安価な負担でより健康になってもらうということで、引き続き、温泉の恩恵を受けていただければと思う」と述べた。
また、三重氏は教員不足の問題について「多忙な実態から、なりてが減少し、別府市でも採用予定者を下回ることも起きている。県においては、10年以内に3つの地域を回る広域人事によって、県外に人材が流出している」と指摘。「根本的な解決につながっていない。これまでと違う対応が必要になる。県に改善を強く求めていってほしい」とした。
棚田の振興策は
泉武弘氏(行財政改革クラブ)
泉氏は、棚田について「令和4年に全国271カ所が『つなぐ棚田遺産』に選定された。別府は5カ所。何故、棚田を守らなければいけないのかという声を聞く。棚田が持つ特質に気づいていないと思った」とし、棚田の役割について語った。
その上で「別府市内5カ所の申請をした際、国、県が求めたのは、指定された場合、市は積極的に振興策に関与してほしいということではなかったか」と質問。
松川幸路観光・産業部長は「協議会を作り、団体含め、市、JA、農業委員会、地域住民が主体となってやる」と答えた。
泉氏は、堂面棚田を取り上げて、「振興する施策として、交流人口を増やさないといけない。交流人口を増やす中で、トイレはどうする、駐車場はどうする。重要課題にするのなら、トイレは絶対条件だと思うが」と質問。
塩手政弘農林水産課長は「振興における具体的な手段の1つだと捉えている」とした。
泉氏は、「制約を受けない範囲で、休耕田の中にテント村ができないだろうか。障害のある人、不登校の子どもたち、高齢者などが棚田に来ることでほっとできる」と提案。
長野恭紘市長は「食は観光にとって重要。農業生産を向上し、従事者の所得をあげていくものの中に棚田がある。それぞれの地域で特色違い、持続可能なのかがテーマ。スモールスタートで結果として展望が見えてくることが大事だと思う」と述べた。