別府市議会の令和5年第1回定例会④

 別府市議会の令和5年第1回定例会を13日午前10時、一般質問を再開。最終日の午前中は、安部一郎氏(自民党議員団)と穴井宏二氏(公明党)が質問をした。
 安部氏が上下水道局(当時は水道局)の元職員の贈収賄事件で退職金の返還の現状について質問をしたところ、岩田弘上下水道局長が「通告がない質問であり、準備が出来ていないため、お答えできません」と答えたことに対し、泉武弘氏から動議が出され、本会議を一時休憩し、議会運営委員会を開き、対応を協議。約20分にわたり本会議が停止した。
 議運では、岩田局長らも呼んで一般質問の通告のあり方について話をし、再開後、岩田局長が答弁。安部氏は「対応と対策について聞いているのだから、退職金もその1つだと思う」と指摘した。
 本会議終了後、取材に応じた長野恭紘別府市長は「別府市の信用を失うような事件が起こしたので(退職金の返還を求めることは)当たり前で大前提」とした上で「相手側も弁護士を立てているので、裁判になった場合に備えなければいけない。誤解がないように、出来る限り速やかに対応したい。何もしていないのではと思われているかもしれませんが、対応はしている」と述べた。
 また、岩田局長の答弁については「これまでも、通告にない部分も答えてきた。要請はしてきたが、積もり積もってのこと」とした。

春木川公園整備進捗は

安部一郎氏(自民党議員団)

安部 一郎氏

 安部氏は、春木川公園の整備事業について「工期遅れと聞いている。遅れた原因は」と質問。橋本和久公園緑地課長は「材料高騰でコストが増加し、どうやれば計画できるか企業が内部協議をしている」と答えた。
 安部氏は「2回延長されている。工程表を見ていれば、想定できたのではないか」と指摘。橋本課長は「大規模小売店舗立地法の取り下げしたので、協議をした。取り下げてからは工程表はまだもらってない」と答えた。安部氏は「地域住民も待っている人がいると思うので、お願いしたい」と述べた。
 また、砂湯について、「多い時で5万人が入ると聞いている。中に宿泊施設が出来て、1万1千人が泊まるとしているが、泊まっている人だけが砂湯で遊べるようになるようなことはしないようにしてほしい」と要望した。
 さらに、上下水道局の元職員による贈収賄事件について経過と対応について質問。
 岩田弘上下水道局長が「企業管理者を中心に業務改善などについて話し合い、独自の仕様書をつくり、退職者が営利企業への再就職をする際には、報告を義務づけるなどしている」と説明。
 退職金返還の答弁について動議が出され、一旦休憩。再開後、岩田局長が「手続きは、関係法令に基づき、必要な手続きをしているところです」と答えた。
 安部氏は「請求するべきだと思う。迅速かつ的確に進めてもらいたい」とした。

交通手段の確保を

穴井宏二氏(公明党)

穴井 宏二氏

 穴井氏は、市民の移動手段の確保について、「地域の中で、買い物する場や病院が遠く、坂道も多いという声を聞く。移動手段の確保の重要性について、どう認識しているのか」と質問。
 安部政信企画戦略部長は「日常生活における移動手段確保は、市民生活に影響する重要な課題。ニーズに応じた利用しやすいものを考えている。1月には住民アンケートを行った。現在、集計しているところだが、回収率は55%」と答えた。
 穴井氏は「思った以上に回答がきていると思う。よく取り組んでいると率直に評価している」とした上で「大事なのは、アンケートの後の取り組み。結果に沿った事業を行うことが重要」と指摘。
 安部部長は「結果を見て再度住民と協議したい。課題は多くあるが、住民にとって利便性のよい交通手段を話し合いたい」と述べた。
 また、「第5弾となる『べっぷ花咲くエール券』が発行されるが、新たに、デジタル商品券を取り入れた理由と市民のメリットは」と質問。
 姫野淳子産業政策課参事は「紙商品券はお釣が出ず、使い勝手が悪い部分もあった。1円単位から使え、スマートフォンで全て行えるので、紛失もなく、事業者においても、手間が省ける」と答えた。
 穴井氏はデジタル地域通貨の導入も促した。松川幸路観光・産業部長は「導入済みの自治体の取り組みを調査研究したい」と述べた。