別府市と大分銀行は、22日午前11時、大分銀行本店で地域の持続可能性向上に向けた「地域ビジョンプロジェクト」を協働で取り組みを開始すると発表した。
両者は2015年に地域社会の維持・発展を目的とした地域創造連携協力に関する包括的な連携協力協定を結んでいる。「地域ビジョンプロジェクト」は、その一環。
「儲かる別府」の実現に向けて、観光産業(宿泊、レジャー、飲食など)を支援産業として、稼いだお金を別府市以外の「域外」に流出させないための「地域内資金循環の活性化」と温泉という地域資源を最大限活用した「稼ぐ力の増強」に取り組む。
大分銀行の別府ブロックの行員によるお客様アンケートの実施やデータ活用によって、資金循環の実態と課題を明らかにし、関係者共有し個社、地域内連携での解決策を模索。温泉という地域資源を活用し、顧客体験価値の向上やICTやDXを活用した顧客利便性の向上、顧客への認知度向上を企画。これらを通じて、地産地消や事業領域の拡大、新事業への参入、新産業創出などで地域の持続可能性向上への実践・支援を行う。
一方、別府市では「ユニバーサルツーリズム」「観光DX」「免疫力日本一宣言」「食×観光」の4本柱を持続可能な観光地づくりとして掲げて取り組んでいる。観光消費によって外貨を稼ぐ構造になっているものの、原材料等を市外から調達している事例が多く、稼いだ外貨が市外に流出しているという課題がある。域内経済の好循環を作り上げる必要があることを把握しているものの、個別具体的な事業者の実態まで把握できていないのが現状。大分銀行の顧客ヒヤリングなどを通してのリアルデータ化で課題解決を図る。
後藤富一郎頭取は「連携協定をもとに地域で困っていることはないか、銀行として貢献できることはないかについて取り組んでいる中で、地域が良くなければ、我々も存続できない。地域と共にある金融機関として、自分たちもしっかりとやっていきたい。主要な産業を見定め、いかに高めるかを一緒に考え、周辺の産業を育て、新たな事業も必要になると思う。別府が発展することで、周辺に与える影響は多い。よい成果をあげて、県下に広げていきたい」とあいさつ。
長野市長も「域内経済の好循環を考える上で、個別調達の実態を把握し、基礎データをとって具体的な対策が出来るようになると思う」と期待感を示した。