別府市馬場町の画家、藤祥州さん(71)は4月7日から、108日間世界一周のクルーズ船の旅に出発する。船内で水彩画の講習を開きながらの旅だ。
横浜からパシフィックワールド(7万7441トン)に乗り込み、中国―シンガポール―スリランカ―エジプト―ギリシャ―スペイン―英国―ノルウエイ―ハワイと周り7月23日、横浜に帰港する。
世界一周の船旅は30年前からのあこがれで、船会社に資料を送ってもらっていた。すると水彩画教室の講師を募集しているとの記事があるのを見つけ応募した。書類審査と面接を受け、藤さんは自分の作品がVISAカードなど大手企業のカレンダーに採用された実績を紹介し後日、合格したとの連絡がきた。
今回の船旅は千数百人が申し込んでおり、約100人が水彩画教室の受講を希望しているという。寄港する先々でスケッチし、船に戻って水彩画に仕上げる。1日3時間、35日間の講習が予定されている。講師であるため数百万円かかる費用は無料で一般乗客と同じ待遇。高価な船旅は富裕層が多いが、4人部屋もあり、若者の参加もあるそうだ。
帰国後の11月30日から、大分市のトキハデパートで個展を開くことが決まっており、40点を出品する予定。
ヨーロッパを四十数回旅し、パリに3年、スペイン・グラナダに1年住んだことがある藤さんだが、108日もの長旅は今回が初めて。「長年の夢がかないました。世界一周の船旅が実現できて幸せ。体に気をつけ楽しんできます」と話している。