身の回りのちょっとしたお手伝い

「ちょいボラ」関係者が集まり、日頃の活動について意見交換をした

 身の回りの環境美化や軽作業ができなくて困っている人に、ボランティアが可能な範囲で有償で代行する助け合い活動の有償型訪問ボランティアが「ちょいボラ」。ニーズは多いものの、ボランティアでどこまでやるべきか課題がある。
 別府市社会福祉協議会によると、スタート時の令和元年度は52件の相談があり、39回実施したが、令和4年度は84件の相談があり、実施回数は362回にのぼる。実施内容で最も多いのは「ふだん届きにくい清掃」で、次いで「庭掃除」「ちょっとした草むしり」などとなっており、清掃の依頼が多いが、見守りや話し相手等の相談も増えてきているという。3月14日時点で、ボランティア登録者は72人いるが、依頼者は91人とボランティアの数を上回っている。
 依頼の相談が増える一方で、ボランティアでは対応しきれないケースも多くあるという。例えば、一人暮らしの高齢者が「飼い犬のエサやりと散歩をしてほしい」というケースでは、毎日のことなので、ボランティアでは対応が難しかった。「旅行中の花の水やりをしてほしい」という依頼では、依頼者が不在の作業は出来ないために不可に。また、「一緒に散歩をしてほしい」や「病院に一緒に行ってほしい」など、同行サービスの依頼もあるが、介助はできないうえに同行中に事故等があった場合の対応など課題が多く、受けつけていないのが現状。
 市社協はこのほど、ボランティアや地域包括支援センターの関係者と意見交換会を開いた。参加者からは特に大きな問題があった意見は出なかったが「ボランティアでどこまでやるのか」と判断に迷うこともある様子だった。日出町社協が行っている高齢者生活支援サポーター「ひじエプロン隊」もオブザーバーとして参加。ひじエプロン隊では、2カ月に1度報告会をして、情報を共有しながら活動をしていることが紹介された。
 別府市社協では、令和5年度からちょいボラ養成講座を毎月3回に増やし、開催場所におひさまパークを追加して実施する。ちょっとしたことを頼める「ちょいボラ」を活用して、住み慣れた地域でいつまでも暮らせるように、ボランティアをする人も社会のつながりや生き甲斐を持って活動できるように、課題やニーズを把握して取り組みを進めていく。