フェリーさんふらわあ「むらさき」就航

別府への初寄港で歓迎セレモニーが行われた

 別府と大阪を結ぶ「フェリーさんふらわあ」の新造船「むらさき」が15日、別府国際観光港に初寄港した。今年1月に就航した姉妹船「くれない」と同型。
 1912(明治45)年に大阪商船(現在の商船三井)が開設した2隻が、グレードアップして令和の世に復活した。総トン数は、これまでの船と比べて、約2倍の1万7114トン。全長は199・9㍍で、瀬戸内海を夜間に航行する船舶では最大の大型船となる。
 大きな特徴は、「くれない」「むらさき」ともに、国内で初めてのLNG(液化天然ガス)燃料フェリーであるということ。従来の燃料よりも、硫黄酸化物排出量はほぼゼロになり、窒素酸化物は約80%削減、二酸化炭素排出量は約25%削減される。2020年7月に国土交通省認証の「内航船省エネルギー格付け制度」において、優れた環境性能が評価され、最高評価の星5つを獲得した。
 船室は、スイート、デラックス、スーペリア、プライベートといった幅広い等級の部屋を準備。長距離フェリーでは初めて、和室と洋室が組み合わさったコネクティングルームも設置した。のんびりと船旅を楽しめる空間となっている。
 大阪から客を乗せてきた「むらさき」が到着すると、別府市宣伝部長「べっぴょん」が出迎えた。
 歓迎セレモニーでは、別府市から植松弘司館長に記念プレートが、ミス別府の坂本心実さんから株式会社フェリーさんふらわあの赤坂光次郎代表取締役社長に花束が贈られた。赤坂社長は「『くれない』も順調に運航しています。連日、多くのお客様に利用していただいています。『むらさき』の就航により、別府航路に2隻が揃いました。より多くのお客様に利用していただきたい」とあいさつした。
 これまでの「あいぼり」と「こばると」はその役目を終え、「くれない」と「むらさき」にバトンタッチした。予約や料金などはホームページで確認を。
 また、「くれない」「むらさき」限定で、7月31日まで、誕生日の乗客に夕食ビュッフェをプレゼントする企画を開催中。誕生日から前後3日間の人で、往復利用の場合は、往路か復路のいずれか1回。乗船する港で誕生日を申し出ると、バースデーシールが渡される。シールを船内で提示すると、夕食券がプレゼントされる。誕生日を申し出た際に、確認できるものの提示を。