日本風景街道で民俗学的視点から

鳥羽南いよ風景かいどう協議会長(左)と
加藤おおいた海べの道推進協議会事務局長が
連携について対談形式で話をした

 日本風景街道の「おおいた海べの道」と「南いよ風景かいどう」の連携事業が6月24日午後3時、日出町中央公民館で開催された。34人が参加。
 アフターコロナの外国人観光客及び国内向けの未開拓の観光資源「海べの道」及び「南いよ」が連携調査研究し、民俗学的視点による地域の振興を図る、トラディショナル地域連携事業。
 加藤千明おおいた海べの道推進協議会事務局長が佐藤恭則会長のあいさつを代読。来賓の河崎拓実国土交通省大分河川国道事務所長が「国東半島周辺地域は、伝統的な民俗風習が多く残る地域。南伊予も独特の歴史文化が今も色濃く残っていると聞いている。どうすれば残していけるか、活用できるか、有意義な意見交換が出来ればと思っている」とあいさつをした。
 昭和33(1958)年から10年にわたり、東京教育大学(現在の筑波大学)の和歌森太郎教授を団長に、民俗総合調査が日本全国10カ所で行われ、第1回は国東調査、第2回は宇和地方調査だったこともあり、両地域で連携事業を計画した。
 加藤事務局長と羽鳥剛史南いよ風景かいどう協議会長が「何をめざすか~トラディショナル連携」をテーマに対談。加藤事務局長は「訪日外国人観光客は、僕らが考えているような価格帯ではない。どうやって地域に落とし込んでいくか。コミュニティが豊かになるため、年に1回お祭りをする。祭りは公が言ってやっていることではなく、住民がやる。これはすごいことだと思う。自分たちでルール決めてやっていく。誇りをもっている地域にしか客はこないと思う」。
 羽鳥会長は「風景街道コミュニティで連携しているが、形式的なものが多い。実質的に出来るところから、長期的にじわじわ効果がある取り組みをしたい。国内客は増えつつあるが、まだまだ。トラディショナル連携はやるべき。町や村がなくなっているエリアがある中で、残っている地域がどうやって何を誇りに生き残っていくのか、悩んでいる。ヒントになるのは、トラディショナルなものだと思う。民俗学の資料は有力な手がかりになると思う」などと話した。