別府市は7月31日午前9時、朝見浄水場の洗浄水槽棟落成式を現地で行った。
洗浄水槽は、高い位置に作られた水槽に貯めてある水道水を使い、高低差を利用した圧力で水を送ることで急速ろ過池の砂と砂利を洗浄する。表面洗浄を行ったあと、ろ過とは逆の方向から水道水を流すことで砂や砂利から濁りを取り除く逆流洗浄を行う。
既存の洗浄水槽は、昭和39年から44年に行われた、第6期拡張事業で作られたもので、経年劣化が著しく代替施設もないため、更新。PAC(ポリ塩化アルミニウム)機械室も、昭和54年に築造されたもので、耐震性能に懸念があることから、併せて更新した。PACは、水中の細かい砂やプランクトン等をつけてフロックと呼ばれる魂を作るために使われる。フロックを沈殿池の中へゆっくり流すことで、きれいな水と濁りを分離する。
新しい洗浄水槽棟は、1階にPAC機械室、2階に配管室、屋上に洗浄水槽となっている。全12池を1日2池ずつ洗浄する。朝見浄水場は、市内の約8割に給水している。約2年7カ月の工期で、総事業費は約8億5千万円。
はじめに、長野恭紘別府市長、加藤信康市議会議長、平石栄二市自治委員会西地区支部長がテープカット。長野市長が「別府市の水道事業は、大正6年4月に敷設され、近代水道としては全国でも33番目と比較的早い時期に給水を開始しました。水道は市民生活と産業活動に欠かせない重要なライフラインの1つであり、平常時はもとより、災害時においても継続的に供給を続けることが、最大の責務。今後も安全安心な水をいつでもお客様の元へを理念としてさらに努力していきます」とあいさつ。
松屋益治郎市上下水道局長が経緯を説明。来賓の加藤議長が祝辞を述べた。式典終了後、内覧会も行われた。