藤画伯、108日間の船旅から帰国

ギリシャ・サントリーニ島の作品を手にする藤さん

 108日間世界一周の船旅を終え、別府市馬場の画家、藤祥州さん(71)が帰国した。船内で水彩画の講師をしながらの旅で「楽しいのが半分、大変なのが半分でした」と感想を話した。
 パシッフィク・ワールドは7万7千トンの大型クルーズ船。4月7日に横浜港を出発、7月23日に帰着するまでの間、シンガポール―スルランカ―ギリシャ―スペイン―英国―ノルウェー―アイスランド―米国ハワイなど13カ国を訪れた。
 乗客1400人のうち7割が日本人、あとは中国人や韓国人。藤さんの水彩画教室を受講したのは約200人。7クラスに分けて寄港する先々でスケッチし船内で仕上げる。受講者は75歳前後の企業の会長が多く、悠々自適の人たち。毎日3~4時間の講座で、メキメキ上達したそうだ。
 ノルウェーより北の北緯80度で白夜を体験できたし、インドネシア近海で金環皆既日食に遭遇、太陽が欠けて真っ暗になる瞬間は、とくに感動したという。船内で社交ダンス、サルサダンスを体験、盆踊りや運動会も開かれた。藤さんもカラオケ大会やマジックショーに出演した。
 7万7千トンなので揺れがほとんどなく船酔いの乗客は出なかった。一番揺れたのが横浜―神戸間で、春の嵐が吹いていたという。太平洋、インド洋、地中海、大西洋はほとんどなぎの日だった。野菜、フルーツが新鮮で、美味しい食事が続いた。
 藤さんは3年前に妻洋子さんを病気で亡くし、独身。機会があれば、また長い船旅をしたいそうだ。今回描いた作品展を11月30日から1週間、トキハ本店で開催するほか、カレンダーも制作する。