高齢者の虐待等相談は54件

令和4年度の相談件数の報告や
5年度の事業などについて協議した

 別府市高齢者及び障がい者虐待防止ネットワーク委員会(籾倉了胤会長、19人)は22日午後3時、市保健センターで令和5年度第1回会議を開いた。
 議事では、令和4年度の虐待相談状況、令和5年度事業計画、事例検討が協議された。令和4年度の虐待相談は、高齢者虐待に関する相談は、54件。内容別では、身体的虐待35件、心理的虐待3件、経済的虐待6件、介護放棄・放任2件、セルフネグレクト8件だった。うち、事実確認がされているのは、27件。虐待と判断したものは0件。判断に至らなかったケースが8件、虐待ではないと判断したのが11件だった。また、通報の段階で虐待ではないものが27件あった。
 相談経路で最も多いのは、警察で23件。地域包括支援センターと居宅介護支援事業所各8件、行政7件、親族、サービス事業所、医療機関各3人、知人・近隣住民、その他各1件で、本人からの相談はなかった。被害者(疑いも含む)は、介護認定を未申請の人が多く、女性が64%。虐待をしたとされる人(疑いも含む)は、息子や夫が多く、娘、妻の順になっている。
 高齢者施設の従事者等による虐待相談は、3件でうち2件は身体的虐待が認められた。
 令和5年度の事業は、擁護者の虐待防止としては、虐待防止の啓発活動や見守り体制の構築、早期対応・解決のための体制整備。施設従事者に対しては、研修の実施、虐待には該当しないが不適切ケアと思われるケースの改善のための体制整備などを行う。
 障がいのある人への虐待に関する相談は、9件。虐待と判断したのは、身体的虐待の1件。相談経路は、施設・事業所の職員からが5件、相談支援専門員4件、警察3件などとなっており、本人からも2件あった。虐待者(疑いも含む)は、父親4件、子ども2件、母親と兄弟姉妹各1件。
 施設従事者等による虐待の相談は、6件。虐待と判断されたのは、身体的虐待1件と心理的虐待2件。
 令和5年度の事業は、虐待未然防止のために関係者や地域住民等を対象とした研修、相談窓口の周知活動、見守り体制の構築、早期対応・解決のための体制整備などを行う。