別府市は29日午前9時半、市役所で第1回別府市新湯治・ウェルネスツーリズム推進会議を開いた。
別府市と新湯治・ウェルネスツーリズムとの親和性や可能性について各専門分野から意見をもらい、会議を通して取り組みを広く情報発信していく。委員は、新湯治・ウェルネスに関する温泉、医療、美容、健康そして地元の医療関係者、若手宿泊事業者、飲食事業者など、専門的知見を有する10人。全3回を予定している。
長野恭紘別府市長が「観光は市民の幸せのためにある。観光客には予想以上だ、素晴らしいと喜んでもらい、よりお金を落としてもらう。市民を幸せにする本質的な議論が必要。ウェルネスツーリズムはすべてにかかってくるもの。年1回は別府に行かないと体が落ち着かない、そんなブランディングを確立することで、世界の観光をリードしていけると思う。沢山のものが育っていながら、面としてなっていない。研究成果をコントロールし、解析し、オープンデータとして提供し、最上級の質を管理する拠点施設があれば、提案の仕方は民間がすればよいと思う。皆さんが面として街のブランディングを構築するイメージ。日本の新湯治ウェルネスを創造できればと思う」とあいさつ。
1回目は、市民や事業者の立場に立って、「別府の可能性・期待」をテーマにディスカッションを行った。
委員からは「市民は、温泉に入るというだけではなく、自分で入浴セットを持って歩いて行って、話をする。それを意識せずにやっている」「生まれてから、温泉があるのは当たり前で、温泉とお風呂が同じだと思っていた。当たり前なんだけど大事なものという概念はもっていると思う。銭湯に行くこと自体が、小さなサロン」
「言葉では伝わらない。自分が実際に事業の一部になることで、実感できることが多いと思う。市民が別府のウェルネスを語れるようになることが必要」「回りにこんなに天然温泉があるのはすごいことだと改めて意識すること。そこがベースになると思う。事業者も含めて、温泉が当たり前になっている。誇りをもって温泉をみせていくことが大事だと思う」
「健康的な空間、食、プログラムを考えがちだが、大事なのは、人の存在。別府のこと、温泉のことを語る語り部の存在が増え、市民がウェルネスな滞在を語り、客観的に温泉地としてどうなのかなどを知ってもらうことが大切」「素材はいっぱいあるのだから、他と同じことやっても意味がない。他にない尖った面白いこと、チャレンジをしてもらいたい」「ワーキンググループをどんどん作ってやればいい」など多くの意見が出た。
委員会メンバーは次のとおり(敬称略)。▽合田純人NPO法人健康と温泉フォーラム常任理事▽早坂信哉東京都市大学人間科学部学部長▽内田一郎医療法人博愛会別府中央病院理事長▽菅沼名津季㈱bacterico代表取締役▽武藤興子ヴィセラ・ジャパン㈱代表取締役▽楠本浩史環境省関東地方環境事務所地域循環共生圏推進室▽江渕敦一般社団法人Jウェルネス振興会代表理事▽木村大成別府市旅館ホテル組合連合会専務理事(悠彩の宿望海社長)▽廣門泰三㈱HIROKADO代表取締役▽菅野静湯治ぐらし㈱代表取締役。